管理価格
Administered Priceとは、市場の自由な需給ではなく、政府や企業などの主体によって設定される価格のことです。統制価格や公定価格と訳されることもあります。
固定価格、変動価格、指数連動価格など、様々な価格設定方法を解説。長期契約価格、スポット価格、フォーミュラ価格の使い分け、価格改定条項の設計について説明。価格交渉の実務と戦略についても詳しく分析します。
管理価格
Administered Priceとは、市場の自由な需給ではなく、政府や企業などの主体によって設定される価格のことです。統制価格や公定価格と訳されることもあります。
スポット価格(直物価格)
商品や金融商品を即時または短期間内に受け渡す現物取引の価格。先物価格と対比される最も基本的な価格概念で、現在の需給バランスを直接反映します。原油、金属、農産物など各商品市場で日々形成されています。
アスク価格(売値)
市場において、売り手が特定の金融商品やコモディティを売ってもよいと提示している最も低い価格のことです。「売値」や「オファー価格」とも呼ばれます。買い手が提示するビッド価格(買値)と対になります。
先物価格
将来の特定時点で商品を受け渡すことを約束する先物契約の価格。現物価格に保管コスト、金利、需給見通しなどが反映されます。価格発見機能とリスクヘッジ機能を持ち、商品市場の重要な指標となっています。
市場価格(時価)
市場での需要と供給により決定される価格。取引所での公開取引価格や、OTC市場での実勢価格を指します。政府介入や規制のない自由市場で形成され、経済学的に最も効率的な価格とされています。
査定価格
Evaluated market price
契約価格
売買当事者間で合意された取引価格。長期供給契約では固定価格、変動価格、フォーミュラ価格などの形態があります。契約書に明記され、法的拘束力を持つ価格で、商品取引の基本となります。
指標価格
情報会社が提供する参考価格。交渉や見積もりの基準
ビッドプライス(買値)
市場で買い手が特定の資産を購入してもよいと提示している価格水準のことです。「買値」や「買い気配値」と同義です。売り手が提示するアスクプライス(売値)と対になります。
終値(引け値)
取引所の取引時間終了時点、または特定の取引セッションの最後に成立した取引の価格のことです。「引け値」とも呼ばれます。その日の取引結果を代表する価格として重視されます。
納入渡し価格(仕向地持込渡し価格)
商品の価格に加えて、買い手が指定する最終的な納入場所までの輸送費、保険料、場合によっては関税など、全てのコストを含んだ価格のことです。インコタームズのDDP条件などがこれに近いです。
インディカティブ・プライス(参考価格)
正式な売買価格ではなく、あくまで参考として提示される価格水準のことです。「参考価格」や「ガイドプライス」とほぼ同義で、特に金融機関がOTCデリバティブ等の価格を示す際によく用いられます。
固定価格
契約期間中、価格が一定に固定される価格設定方法。価格変動リスクを回避でき、予算計画が立てやすい利点があります。インフレ期には買い手有利、デフレ期には売り手有利となるため、市場見通しに基づく交渉が重要です。
変動価格
市場価格やインデックスに連動して変動する価格設定方法。原油のスポット価格、LME金属価格などを基準に、定期的に価格が改定されます。市場実勢を反映できる反面、価格変動リスクを負うことになります。
フォーミュラ価格
事前に合意した計算式により価格を決定する方法。基準価格にプレミアムやディスカウント、輸送費、品質調整などを加味します。長期契約で多用され、透明性が高く、市場変動と契約の安定性のバランスを取ることができます。
指数連動価格
商品指数や価格指標に連動して自動的に調整される価格。S&P GSCI、Platts価格、CPI などを基準とし、価格改定の透明性と客観性を確保できます。天然ガスの原油価格連動など、異なる商品間の連動も行われます。
始値(寄り付き)
取引所の取引時間開始後、または特定の取引セッションの開始時に、最初に成立した取引の価格のことです。「寄り付き値段」とも呼ばれます。その日の取引の起点となる価格です。
公示価格
Published official price
基準価格
Benchmark reference price
清算値(決済価格)
主に先物取引やオプション取引において、取引所が毎日の取引終了後に、値洗い(時価評価)や証拠金の計算、最終的な決済を行うために公式に決定・発表する価格のことです。
取引価格(約定価格)
実際に売買取引が成立した際の価格のことです。「約定価格」とも呼ばれます。気配値や参考価格とは異なり、実際に取引が行われた実績の価格です。
ウェルヘッドプライス(井戸元価格)
Wellhead Priceは、原油や天然ガスを採掘した直後、井戸元での販売価格を指します。輸送費や精製費が含まれていないため、産出地点での純粋な価格として使われます。資源開発の採算性評価や、ロイヤルティ計算の基準として用いられることが多いです。
ネットバック
資源の販売価格からコストを差し引いた後の実質収益