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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Abandon

    権利放棄

    オプション実務

    オプションの買い手が権利行使期間内に権利を実行しないこと。

    基本概念

    権利放棄(Abandon)とは、オプション取引において、オプションの買い手が権利行使期限内に権利行使を行わないことを意味します。オプション契約は、買い手に特定の価格で原資産を売買する権利を与えますが、これはあくまでも「権利」であり「義務」ではありません。そのため、買い手は経済的に不利な場合や戦略的理由により、意図的に権利を行使せずに放棄することができます。

    権利放棄の発生条件

    権利放棄は主に以下の状況で発生します。まず、オプションがアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)の状態で満期を迎える場合です。コールオプションでは原資産価格が権利行使価格を下回り、プットオプションでは原資産価格が権利行使価格を上回る状況がこれに該当します。この場合、権利行使をしても損失が発生するため、合理的な投資家は権利を放棄します。また、権利行使に伴う取引コストや手数料を考慮した結果、わずかにイン・ザ・マネーであっても経済的メリットがない場合も権利放棄の対象となります。

    商品取引での活用

    商品先物オプション取引では、権利放棄は重要なリスク管理手段として機能します。農産物や金属、エネルギー商品のオプション取引において、市場価格が予想と異なる方向に動いた場合、投資家は権利放棄により損失をプレミアム支払額に限定できます。例えば、金価格の上昇を見込んでコールオプションを購入したものの、実際には価格が下落した場合、権利を放棄することで追加的な損失を回避できます。また、ヘッジ目的でオプションを保有している商品生産者や消費者にとって、市場環境の変化により当初のヘッジが不要になった場合の出口戦略としても重要です。

    権利放棄のメリット

    権利放棄の最大のメリットは、損失をプレミアム支払額に限定できることです。オプションの買い手は、どれほど市場が不利に動いても、支払ったプレミアム以上の損失を被ることはありません。これは、先物取引や現物取引にはない重要な特徴です。また、権利放棄により、投資家は新たな市場機会に資金を振り向けることができます。さらに、税務上の観点から、権利放棄により実現した損失は、他の利益と相殺できる場合があり、税負担の軽減効果も期待できます。

    注意点とリスク

    権利放棄を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、権利行使期限の確認が不可欠です。アメリカンスタイルオプションでは満期日まで、ヨーロピアンスタイルでは満期日当日のみ権利行使が可能であり、期限を過ぎると自動的に権利が消滅します。また、わずかにイン・ザ・マネーの場合でも、取引コストを考慮せずに権利放棄すると、本来得られる利益を逸失する可能性があります。さらに、自動権利行使制度がある市場では、一定額以上のイン・ザ・マネーオプションは自動的に権利行使される場合があるため、意図的な権利放棄ができない場合があります。

    関連制度・用語

    権利放棄に関連する重要な制度として、自動権利行使(Automatic Exercise)があります。これは、満期日にイン・ザ・マネーのオプションが一定の条件を満たす場合、権利者の意思に関係なく自動的に権利行使される制度です。また、権利放棄の意思表示(Exercise Notice)の手続きや期限も重要な要素です。関連用語としては、権利行使(Exercise)、満期(Expiration)、イン・ザ・マネー(In-The-Money)、アウト・オブ・ザ・マネー(Out-Of-The-Money)、プレミアム(Premium)、時間価値(Time Value)などがあります。

    実務ポイント・事例

    実務において権利放棄を検討する際は、満期日の数日前から市場価格と権利行使価格の関係を注意深く監視することが重要です。特に、商品市場では満期日近くに価格が大きく変動することがあるため、最終的な判断は可能な限り遅らせることが得策です。具体例として、原油先物のコールオプション(権利行使価格80ドル)を保有している投資家が、満期日に原油価格が78ドルである場合、権利行使すると1バレルあたり2ドルの損失となるため、権利放棄が適切な選択となります。また、企業のヘッジ戦略では、当初想定していた市場リスクが変化した場合、権利放棄により戦略を柔軟に調整することができます。

    関連用語
    Knock-Out Option

    ノックアウトオプション

    原資産価格が特定の価格水準(バリア)に一度でも到達すると、オプションの権利が消滅するタイプのバリアオプションです。バリアに到達しなければ、権利は有効なままです。

    Lookback Option

    ルックバックオプション

    オプション期間中の最も有利な原資産価格(最高値または最安値)を権利行使価格として利用できるエキゾチックオプションです。保有者にとって常に最良の価格で権利行使できる特徴があります。

    Assign

    割当

    オプションの買い手が権利行使をした場合、取引所がオプションの売建玉を指定すること。

    Automatic Exercise

    自動権利行使

    権利行使期間内に権利行使の申出がなかったイン・ザ・マネーのオプションについて、権利放棄の意志表示がない限り、自動的に権利行使があったものとして取り扱う制度。

    Knock-In Option

    ノックインオプション

    原資産価格が特定の価格水準(バリア)に一度でも到達すると、オプションの権利が発生(有効化)するタイプのバリアオプションです。バリアに到達しない限り、権利は発生しません。

    Binary Option

    バイナリーオプション

    期日に(または期日までに)原商品価格が一定の数値を上回るか下回るかによって、一定額が支払われるか、何も支払われないかが決まるオプション。

    Mid Curve Option

    ミッドカーブ・オプション

    オプション限月から一定期間の後の限月の先物を原商品とするオプション。