Knock-Out Option

概要

ノックアウトオプションは、バリアオプションの一種であり、オプションの権利が有効である期間中に、原資産価格があらかじめ定められた特定の価格水準（バリア）に一度でも到達すると、その時点でオプションの権利が消滅してしまうオプションです。

仕組み

契約締結時点ではオプションの権利は有効ですが、原資産価格がバリアに到達（ノックアウト）した瞬間に、それ以降の権利は失われます。もし満期までに一度もバリアに到達しなければ、オプションの権利は有効なまま満期を迎え、通常のオプションと同様に権利行使の判断が行われます。

特徴

• 権利消滅の条件付き: 権利が途中で消滅するリスクがあります。
• プレミアム: 権利が消滅するリスクがあるため、同条件の標準的なオプションに比べてプレミアムは割安になります。
• 種類: バリアの位置やオプションタイプにより「アップ- アンド- アウト」「ダウン- アンド- アウト」のタイプがあります。

利用場面

• ヘッジコスト削減: ヘッジ対象の価格変動が一定範囲内に収まると予想される場合に、プレミアムの安いノックアウトオプションでコストを抑えてヘッジを行うことがあります。
• 特定の市場観: 大きな価格変動が起こらない（バリアに到達しない）という見通しに基づいて利用されます。
• 仕組商品: 仕組債などに組み込まれ、早期償還条項などの設計に用いられます。

注意点

• ヘッジ目的で利用する場合、予期せぬ価格変動でバリアに到達し、ヘッジが外れてしまう（消滅してしまう）リスクがあります。
• 価格評価やリスク管理が複雑になります。