Knock-In Option

概要

ノックインオプションは、バリアオプションの一種であり、オプションの権利が有効になるために、原資産価格が契約期間中にあらかじめ定められた特定の価格水準（バリア、またはトリガー価格）に少なくとも一度到達する必要があるオプションです。

仕組み

契約が締結された時点では、オプションの権利は有効になっていません。原資産価格がバリアに到達した瞬間に、初めてオプションの権利が発生（ノックイン）し、その後は通常のオプション（ヨーロピアンまたはアメリカン）と同様に機能します。もし満期までに一度もバリアに到達しなければ、オプションの権利は発生せず、価値はゼロで消滅します。

特徴

• 権利発生の条件付き: 権利が有効になるかどうかが、バリアへの到達という条件に依存します。
• プレミアム: 権利が発生しないリスクがあるため、同条件の標準的なオプションに比べてプレミアムは割安になります。
• 種類: バリアの位置やオプションタイプにより「アップ- アンド- イン」「ダウン- アンド- イン」のタイプがあります。

利用場面

• コスト削減: オプションの購入コストを抑えたい場合に利用されます。
• 特定の市場観: 原資産価格が特定の方向に大きく動き、バリアに到達するという見通しを持っている場合に利用されます。
• 仕組商品: 仕組債などに組み込まれ、特定の条件下でクーポンが発生するなどの設計に用いられます。

注意点

• バリアに到達しなければ権利が発生しないため、ヘッジ目的で利用する場合は、ヘッジが有効にならないリスクがあります。
• 価格評価やリスク管理が複雑になります。