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アンチモン (Antimony) は、原子番号51、元素記号Sbで表される半金属元素です。銀白色で脆い性質を持ち、主に他の金属との合金や化合物の形で、難燃剤、蓄電池、軸受合金などに利用されます。
アンチモンは、天然には主に硫化物の輝安鉱 ($Sb_2S_3$) として産出します。半金属(メタロイド)に分類され、金属と非金属の中間的な性質を示します。単体は銀白色の光沢を持ちますが、非常に脆いため構造材料として単独で用いられることは稀です。主な用途は、プラスチックや繊維製品に添加される難燃助剤(特に三酸化アンチモン $Sb_2O_3$)、鉛蓄電池の電極強度を高めるための鉛合金添加剤、すべり軸受に使われるバビットメタルなどの合金成分です。また、半導体材料(赤外線検出器など)や一部の医薬品にも利用されます。産出が特定の国(特に中国)に偏っているため、レアメタル(マイナーメタル)の一つとして供給リスクが意識される戦略的に重要な元素でもあります。
アンチモンの生産は、鉱石からの抽出と製錬によって行われます。
要素 | 詳細 |
---|---|
主な原料 | 輝安鉱 ($Sb_2S_3$) が最も重要な鉱石。方安鉱 ($Sb_2O_3$) など酸化鉱物としても産出する。 |
主要産出国 | 中国が世界の生産量の大部分を占める。次いでロシア、タジキスタン、ボリビアなどが続く。 |
製錬方法 | - 乾式製錬: 輝安鉱を焙焼して酸化物 ($Sb_2O_3$) にし、炭素などで還元する方法や、輝安鉱を直接鉄くずと溶融させて粗アンチモンを得る方法(溶錬法)がある。<br>- 湿式製錬: 鉱石をアルカリ硫化物溶液などで溶解し、不純物を分離した後に電解採取する方法。高純度のアンチモンが得られる。 |
アンチモンはその脆さから、単体で加工されることはほとんどありません。
セレン
原子番号34の元素(Se)で、硫黄やテルルに似た性質を持つ非金属(または半金属)です。光伝導性や半導体特性を示し、ガラス、顔料、電子写真(コピー機ドラム)、栄養補助食品などに利用されます。
ニオブ
原子番号41の元素(Nb)で、タンタルと性質が似た遷移金属です。主に鉄鋼(高張力鋼、ステンレス鋼)の添加剤として、強度や靭性を向上させるために利用されます。超電導材料や特殊合金にも使われます。
レアメタル
地殻中の存在量が少ない、または抽出・精製が経済的・技術的に難しい金属元素の総称です。明確な定義はありませんが、リチウム、チタン、コバルト、レアアースなどが含まれ、ハイテク産業に不可欠な材料です。
ゲルマニウム
原子番号32の元素(Ge)で、ケイ素とスズの中間の性質を持つ半金属(メタロイド)です。半導体としての性質を持ち、主に光ファイバー、赤外線光学レンズ、一部の半導体、触媒などに利用されます。
ジルコニウム
原子番号40の元素(Zr)で、チタンやハフニウムに似た遷移金属です。優れた耐食性と低い熱中性子吸収特性を持ち、主に原子力発電所の核燃料被覆管(ジルカロイ)として利用されます。