Commodity Futures

### 概要 商品先物（Commodity Futures）とは、原油、金、トウモロコシといった特定のコモディティ（商品）を、将来の決められた期日（限月）に、現時点で取引所で決定される価格で売買することを約束する、標準化された契約のことです。先物取引（Futures Contract）の一種で、原資産がコモディティであるものを指します。 ### 特徴 - **取引所取引:** CME、ICE、LME、TOCOM（JPX）などの専門の取引所に上場され、不特定多数の参加者間で取引されます。 - **標準化:** 取引対象となる商品の品質（受渡適格等級）、契約サイズ（取引単位）、受渡場所、限月などが取引所によって標準化されており、これにより高い流動性が確保されます。 - **清算機関による決済保証:** 取引所（またはその清算機関）が取引の相手方となり、決済の履行を保証するため、個々の取引相手の信用リスク（カウンターパーティリスク）は大幅に低減されます。 - **証拠金制度:** 取引参加者は、契約不履行リスクに備えるため、取引所に証拠金（Margin）を預託する必要があります。 - **日々値洗い:** 保有している未決済のポジション（建玉）は、毎日の市場価格（清算値）で評価替えされ、損益（評価損益）が計算され、証拠金の増減に反映されます。 ### 利用目的 - **価格リスクヘッジ:** 商品の生産者、消費者、商社などが、将来の価格変動リスクを回避（ヘッジ）するために利用します。 - **価格発見:** 多数の参加者の取引を通じて、将来の需給を反映した公正な価格が形成される機能（価格発見機能）を持ちます。 - **投機:** 将来の価格変動を予測し、利益を得る目的（投機、スペキュレーション）で取引されます。 - **投資対象:** コモディティ市場全体の値動きを示す商品指数に連動する投資信託やETFを通じて、分散投資の対象ともなります。 商品先物は、コモディティの現物取引に関わる事業者にとってのリスク管理手段として、また投資家にとっての投資・投機対象として、グローバル経済において重要な役割を果たしています。