Container Yard

基本概念

コンテナヤード（Container Yard、CY）は、港湾や内陸でコンテナの保管、取扱い、管理を行う専用施設です。海上輸送と陸上輸送の結節点として、輸出入コンテナの一時保管、コンテナへの貨物の積み込み（バンニング）や取り出し（デバンニング）、空コンテナの管理などを行います。国際物流の効率性を支える重要なインフラストラクチャーです。

CYの種類と機能

港湾CY：港に隣接し、船舶への積み下ろしを行うメインのヤードです。

オフドックCY：港湾から離れた内陸に設置され、混雑緩和と物流効率化を図ります。

鉄道CY：鉄道輸送との接続点となるインターモーダルヤードです。

デポ（Depot）：空コンテナの保管、修理、メンテナンスを専門に行う施設です。

CFS（Container Freight Station）：LCL貨物の混載作業を行う施設で、CYに併設されることが多いです。

設備と機械

コンテナヤードには、効率的な荷役のための様々な設備が配置されています。ガントリークレーン（岸壁クレーン）は、船舶との積み下ろしを行います。RTG（Rubber Tyred Gantry crane）やRMG（Rail Mounted Gantry crane）は、ヤード内でのコンテナの積み重ねに使用されます。リーチスタッカー、フォークリフト、トレーラーなどが、コンテナの移動と配置を担います。

ヤード運営システム

最新のCYは、TOS（Terminal Operating System）により高度に自動化されています。コンテナの位置管理、船積み計画、ゲート管理、機器の配置最適化などを統合的に管理します。RFID、GPS、OCRなどの技術により、コンテナの動きをリアルタイムで追跡し、作業効率を最大化します。また、予約システムにより、トラックの到着を平準化し、混雑を緩和しています。

保管とスタッキング

コンテナは通常、5-6段まで積み重ねて保管されます。輸出入別、船社別、仕向地別に区分けされ、効率的な取り出しを可能にします。冷凍コンテナ（リーファー）用の電源供給設備、危険物コンテナの隔離保管エリア、オーバーサイズ貨物用の特別スペースなど、貨物特性に応じた保管体制を整えています。

ゲート業務

CYのゲートは、コンテナの搬入出を管理する重要なポイントです。書類確認、コンテナとシールの検査、重量測定、ダメージチェックなどを行います。電子化されたゲートでは、事前登録により待ち時間を短縮し、自動化ゲートにより24時間対応を実現しています。

環境対策と自動化

環境負荷低減のため、電動RTG、ハイブリッド機器、LED照明などを導入しています。また、自動化ターミナルでは、AGV（Automated Guided Vehicle）、自動スタッキングクレーン、遠隔操作システムにより、省人化と安全性向上を実現しています。ロッテルダム港、シンガポール港などの最先端ターミナルは、完全自動化により世界最高水準の効率性を達成しています。

まとめ

コンテナヤードは、コンテナ輸送システムの中核施設として、国際物流の効率化に不可欠な役割を果たしています。高度な管理システムと最新の荷役機器により、大量のコンテナを迅速かつ正確に処理します。自動化と環境対策の進展により、さらなる効率化と持続可能性の向上が期待されています。