Delivery Risk

デリバリーリスク(受渡リスク)

リスク分類

売買契約などで、約束された期日までに、定められた品質・数量の商品が買い手に引き渡されない、またはサービスが提供されない可能性(リスク)のことです。現物取引で特に意識されます。

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### 概要 デリバリーリスク(Delivery Risk)または受渡リスクとは、商品やサービスの売買契約、あるいは金融商品の決済などにおいて、売り手(供給者)が、契約で定められた期日(納期)までに、合意された品質および数量の物品を引き渡す、あるいはサービスを提供するという義務を履行できない可能性(リスク)を指します。買い手側から見たリスクです。 ### 具体的なリスク事象 - **納期遅延:** 約束の期日までに届かない。 - **数量不足:** 契約数量より少ない。 - **品質不良:** 契約品質を満たしていない。 - **引渡し不能:** サプライヤー倒産、事故、規制等により商品が届かない。 ### 発生要因 サプライヤー側の問題、物流上の問題、自然災害、地政学的リスク、通関問題など様々です。 ### 影響(買い手側) 生産計画遅延、販売機会損失、代替品調達コスト発生、顧客信用失墜などの悪影響が生じる可能性があります。 ### 管理・軽減策 - 信頼できるサプライヤー選定。 - 契約条件の明確化(納期、品質、ペナルティ)。 - サプライヤー分散化。 - 在庫管理(安全在庫)。 - サプライチェーン可視化。 - 保険。 デリバリーリスクは、特に現物を扱うサプライチェーンにおいて、事業継続性を脅かす可能性のあるリスクです。

同義語・略語

受渡リスク, 納品リスク, 納期リスク

関連用語
Net Risk

ネットリスク(純リスク)

ヘッジ、保険、ネッティング等のリスク軽減策の効果を反映させた後の、実質的な残存リスク量です。 「純リスク」とも呼ばれ、日常的なリスク管理や経済資本算定の基礎となります。 ただし、軽減策の有効性に依存するため、グロスリスクと併せて評価することが重要です。

Active Risk

アクティブリスク

Active Riskとは、ポートフォリオがベンチマークからどれだけ乖離しているかを示すリスク指標です。アクティブ運用でのみ発生するリスクで、追随しないことで生まれる変動幅を測定します。

Basis Risk

ベーシスリスク

現物価格と先物価格の差が変動することで、ヘッジが完全に機能しなくなるリスク。

Concentration Risk

集中リスク

投資や融資、取引などが特定の対象(銘柄、業種、国、取引相手など)に過度に集中しているために、その対象に予期せぬ事態が発生した場合に大きな損失を被る可能性が高まるリスクのことです。

Counterparty risk

カウンターパーティーリスク

カウンターパーティーリスクとは、金融取引において、取引相手(カウンターパーティー)が契約上の義務を履行できなくなる可能性のことです。信用リスクの一種です。

Credit Risk

信用リスク

Credit Riskとは、取引相手が契約どおりにお金を払えなくなるリスクのことです。たとえば、商品を売ったのに代金が支払われなかったり、借金の返済が滞ったりするようなケースです。企業、個人、国など、あらゆる相手との取引に付きまとう基本的なリスクです。

Currency Risk

為替リスク

外国為替レートの変動によって、保有している外貨建て資産の価値や、外貨建て取引の自国通貨換算額が変動(通常は不利な方向に)する可能性(リスク)のことです。「為替変動リスク」とも呼ばれます。

Default Risk

デフォルトリスク(債務不履行リスク)

融資や債券投資などにおいて、借り手や発行体が、利息の支払いや元本の返済を約束通りに行わない(デフォルト=債務不履行に陥る)可能性(リスク)のことです。信用リスクの中核をなします。

Delivery Time Risk

納期リスク

契約で定められた納期までに、商品やサービスが買い手に引き渡されない(遅延する)可能性(リスク)のことです。デリバリーリスクの一種であり、生産計画や販売機会に影響を与えます。

Downside Risk

下方リスク(ダウンサイドリスク)

投資や事業活動において、期待されるリターンや目標値を下回る、あるいは損失が発生する方向への変動可能性(リスク)のことです。上方リスク(アップサイドポテンシャル)と対比されます。

Embedded Risk

エンベデッドリスク(内在リスク)

複雑な金融商品や契約、あるいは事業プロセスの中に組み込まれており、一見しただけでは認識・評価しにくい潜在的なリスクのことです。特定の条件下で顕在化することがあります。

Free-rider Risk

フリーライダーリスク(ただ乗りリスク)

公共財や共有資源、あるいは業界全体の利益になるような活動において、コストや負担をせずにその便益だけを享受する者(フリーライダー)が存在することにより、本来得られるはずの便益が減少したり、活動自体が成り立たなくなるリスクのことです。

Geopolitical Risk

地政学リスク

特定の国や地域の政治・軍事・社会的な出来事や、国家間の対立・緊張などが、企業活動や金融市場、サプライチェーンなどに悪影響を及ぼす可能性(リスク)のことです。

Gross Risk

グロスリスク

リスクを評価・測定する際に、ヘッジ取引や保険、担保などのリスク軽減策(ミティゲーション)の効果を考慮に入れる「前」の、当初のリスク量のことです。ネットリスクと対比されます。

Liquidity Risk

流動性リスク

必要な時に、市場で大きな価格変動を引き起こさずに資産を売買できない、または必要な資金を調達できないリスクのことです。市場流動性リスクと資金流動性リスクに大別されます。

Market Risk

市場リスク(マーケットリスク)

金利、為替レート、株価、商品価格といった市場全体の価格変動要因によって、保有している資産(ポートフォリオ)の価値が変動(通常は下落)するリスクのことです。「システマティックリスク」とも呼ばれます。

Maturity Risk

満期リスク(期間リスク)

債券などの金融商品において、満期までの期間が長いほど、金利変動や信用状況の変化による価格変動の影響を受けやすくなるリスクのことです。「期間リスク」とも呼ばれます。

Mezzanine Risk

メザニンリスク

メザニンファイナンス(劣後ローンや優先株など、シニアデットとエクイティの中間の資金調達)に伴うリスクのことです。シニアより返済順位が低く、エクイティよりリターンが限定的という特性を持ちます。

Model Risk

モデルリスク

金融商品の価格評価、リスク測定、意思決定などに用いられる数理モデルが、その設計上の欠陥、仮定の誤り、データ不足、不適切な使用などによって、誤った結果を導き、結果として経済的な損失を引き起こす可能性(リスク)のことです。

Operational Risk

オペレーショナルリスク

企業の業務プロセス、人、システム、または外部の出来事(災害など)が原因で損失が発生するリスクのことです。市場リスクや信用リスク以外の、事業運営に伴うリスク全般を広く含みます。

Outage Risk

停止リスク(設備停止リスク)

工場、発電所、プラント、ITシステム、通信網などの重要な設備やインフラが、故障、事故、災害、サイバー攻撃、メンテナンス不備などによって予期せず停止し、生産活動やサービス提供が中断してしまう可能性(リスク)のことです。

Price Volatility Risk

価格変動リスク(ボラティリティリスク)

株式、為替、コモディティなどの資産価格が、予期せず大きく変動する可能性(ボラティリティが高い状態)、またはボラティリティ自体が変動することによって、損失を被るリスクのことです。

Residual Risk

残存リスク

リスク対応策(リスクの低減、移転、回避など)を講じた後にも、なお組織に残るリスクのことです。リスク管理プロセスにおいて、この残存リスクが許容可能なレベルにあるかを評価します。

参考文献

参考文献はありません