読み込み中...
原子番号28の元素(Ni)で、遷移金属の一つです。銀白色の光沢を持ち、耐食性、耐熱性、延性、強磁性に優れています。最大の用途はステンレス鋼の合金成分であり、その他特殊合金、めっき、電池材料などに広く利用されます。
ニッケル(Nickel)は、原子番号28、元素記号Niで表される遷移金属元素です。銀白色の光沢を持つ金属で、鉄族元素の一つです。1751年にスウェーデンの鉱物学者クローンステットによって発見され、ドイツ語の「Kupfernickel(悪魔の銅)」から命名されました。
耐食性、耐熱性、強度に優れ、ステンレス鋼の必須成分として、また近年では電池材料として重要性が急速に高まっているベースメタルです。
主要な特性:
ニッケルは常温で空気中でも安定で、表面に薄い酸化被膜を形成して内部を保護します。また、鉄、コバルトと並ぶ強磁性体で、合金化により様々な特性を付与できます。
ステンレス鋼(需要の約70%)
ニッケル最大の用途はステンレス鋼の製造です:
電池材料(需要の約10%、急成長中)
特殊鋼- 超合金(需要の約10%)
めっき- その他(需要の約10%)
主要生産国(2023年データ):
世界のニッケル鉱山生産量は年間約330万トンです。インドネシアが2020年から鉱石輸出を禁止し、国内製錬を推進したことで、世界のニッケル供給構造は大きく変化しました。
鉱石の種類:
ニッケル製品の分類:
電池用途ではクラス1ニッケルが必須で、供給不足が懸念されています。
ニッケルはLME(ロンドン金属取引所)で活発に取引されています:
価格変動要因:
2022年3月には、ロシア- ウクライナ情勢を背景に、LMEニッケル価格が一時10万ドル/トンを超える異常事態が発生しました。
環境課題:
対策:
ニッケル需要は電動化の進展により大幅な成長が予想されています:
需要予測:
供給課題:
技術動向:
ニッケルは「電動化時代の石油」とも呼ばれ、グリーン転換の中核を担う戦略的金属として、その重要性はさらに高まると予想されています。
非鉄金属
鉄や鉄合金以外のすべての金属を指す総称です。銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、ニッケル、錫といったベースメタルや、金、銀などの貴金属が含まれます。工業製品から日用品まで、私たちの生活に不可欠な材料となっています。
チタン
原子番号22の元素(Ti)で、遷移金属の一つです。軽量(鉄の約60%)でありながら強度が高く、特に耐食性(特に海水に対する)に極めて優れています。航空宇宙、化学プラント、医療、スポーツ用品などに利用されます。
亜鉛
鉄鋼の防錆めっき(亜鉛めっき)の主原料として重要なベースメタルです。建設・自動車産業で大量に消費され、黄銅などの合金材料、電池材料、化学工業原料としても幅広く使用されます。人体必須微量元素でもあります。
モリブデン
特殊鋼や超合金の添加元素として重要なレアメタルです。高温強度と耐食性を大幅に向上させる効果があり、ステンレス鋼、工具鋼、石油精製触媒などに使用されます。銅の副産物として生産され、チリと中国が主要生産国です。
ベースメタル(卑金属)
ベースメタル(Base Metals)は、貴金属以外の産業用金属の総称で、銅・アルミ・亜鉛などが代表例です。世界の製造業や建設業を支える基礎材料として大量に消費されています。景気動向を反映しやすく、経済の先行指標としても注目される金属群です。
コバルト
リチウムイオン電池の正極材として急速に需要が拡大している戦略的レアメタルです。コンゴ民主共和国に生産が集中し、供給リスクが高い一方、EVバッテリーの性能向上に不可欠で、超合金や触媒としても重要な役割を果たします。
鉛
古代から利用される重金属で、現在は主に鉛蓄電池(自動車バッテリー)の原料として使用されるベースメタルです。優れた遮蔽性、耐食性、加工性を持ちますが、毒性があるため取り扱いには注意が必要で、リサイクル率が最も高い金属の一つです。
リチウム
最も軽い金属元素で、リチウムイオン電池の主要材料として電気自動車(EV)革命の中核を担う戦略的金属です。主に塩湖かん水と鉱石から生産され、需要が急速に拡大している一方、供給開発には時間がかかるため、価格変動が激しい特徴があります。