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粗糖は、サトウキビやテンサイから抽出した糖液を結晶化させた未精製の砂糖です。褐色で糖蜜を含み、ICUMSA値600-1200の品質で取引されます。国際砂糖取引の主要形態で、ICE砂糖11号先物が価格指標となります。精製工場で白糖に加工される中間原料として、世界で年間約6,000万トンが貿易されています。
粗糖(Raw Sugar、原料糖)は、サトウキビまたはテンサイから抽出した糖液を部分的に精製し、結晶化させた未精製の砂糖です。褐色を呈し、糖度(pol)は96-99度、水分1.5%以下、糖蜜やその他の不純物を含みます。国際砂糖貿易の約90%を占める主要取引形態で、消費地の精製工場で最終製品の白糖に加工されます。バルク船による大量輸送に適し、保存性も高いため、国際商品として理想的な形態です。
粗糖の品質は、複数の指標で評価されます。最重要はICUMSA(国際砂糖分析統一委員会)カラー値で、標準は600-1200単位です。糖度(Polarization)は96度以上が標準で、価格調整の基準となります。水分含有量は保存性に影響し、1.5%以下が要求されます。灰分、還元糖、デキストランなどの不純物も品質指標です。VHP(Very High Pol)糖は糖度99度以上の高品質粗糖で、プレミアム価格で取引されます。
粗糖生産は、原料処理から始まります。サトウキビは圧搾により糖汁を抽出、石灰添加により清澄化します。多重効用缶で濃縮後、真空結晶缶で結晶化させます。遠心分離により結晶と糖蜜を分離し、粗糖が得られます。精製工程では、アフィネーション(表面洗浄)、溶解、清澄、脱色、再結晶化を経て白糖となります。エネルギー効率と環境負荷低減のため、バガス(搾りかす)を燃料とするコジェネレーションが標準的です。
粗糖の国際取引は、ICE(インターコンチネンタル取引所)の砂糖11号先物が中心です。FOB価格(主にブラジル港)とCIF価格(消費地)で取引されます。価格は、ブラジルのエタノール- 砂糖生産配分、天候(干ばつ、洪水)、インドの最低支持価格政策、タイバーツの為替レート、投機筋のポジションに影響されます。長期契約と スポット取引が併存し、プレミアム/ディスカウントは品質と需給により決定されます。
粗糖物流は、大規模かつ効率的です。ブラジルのサントス港、タイのバンコク港などから、5-7万トンのバルク船で輸送されます。専用ターミナル、コンベアシステムにより荷役が自動化されています。精製の産地シフト(消費地から生産地へ)により、白糖直接輸出が増加する可能性があります。バイオリファイナリー化により、砂糖以外の付加価値製品も生産される見込みです。
原料糖
砂糖
砂糖は、サトウキビやテンサイから抽出される糖類の総称で、世界で最も重要な甘味料です。粗糖、精製糖、黒糖など多様な形態があり、食品産業の基礎原料として年間約1.8億トンが生産されます。ブラジル、インド、タイが主要生産国で、価格は天候、エネルギー市場、政策に大きく影響されます。
畜産物(家畜)
農業において、肉、乳、卵、皮革などを得るために飼育される動物(家畜)の総称です。牛、豚、鶏、羊などが含まれ、これら自体やその生産物がソフトコモディティとして取引されます。
エタノール
エタノールは、糖質やデンプンを発酵させて製造するアルコールで、バイオ燃料と工業用溶剤の両面で重要な商品です。サトウキビ、トウモロコシが主原料で、ガソリン混合により輸送燃料として使用されます。ブラジル、米国が二大生産国で、脱炭素化政策により需要が拡大し、エネルギー市場と農産物市場を結ぶ重要な役割を果たしています。
精製糖(白糖)
精製糖(白糖)は、粗糖を精製して不純物を除去した純度99.9%以上の砂糖です。ICUMSA 45以下の白色度を持ち、家庭用、食品工業用として広く使用されます。グラニュー糖、上白糖、氷砂糖など多様な形態があり、用途に応じて粒度や結晶形が調整されます。品質の均一性と保存性の高さから、食品産業の基礎原料となっています。