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砂糖は、サトウキビやテンサイから抽出される糖類の総称で、世界で最も重要な甘味料です。粗糖、精製糖、黒糖など多様な形態があり、食品産業の基礎原料として年間約1.8億トンが生産されます。ブラジル、インド、タイが主要生産国で、価格は天候、エネルギー市場、政策に大きく影響されます。
砂糖(Sugar)は、サトウキビ(甘蔗)やテンサイ(甜菜)から抽出- 精製される二糖類のスクロース(ショ糖)を主成分とする甘味料です。世界の砂糖生産の約80%はサトウキビ由来、20%がテンサイ由来です。化学式C12H22O11で表され、グルコースとフルクトースが結合した構造を持ちます。食品、飲料、製菓、医薬品など幅広い用途を持ち、人類の食文化と経済に深く根ざした基礎商品です。
砂糖製造は原料により異なります。サトウキビは収穫後すぐに圧搾し、糖汁を抽出、清澄、濃縮、結晶化させます。テンサイは切片にして糖分を抽出します。製品形態として、粗糖(Raw Sugar、ICUMSA 600-1200)は褐色で精製前の状態、精製糖(White Sugar、ICUMSA 45)は純白で最終消費用、黒糖は糖蜜を含む未精製糖です。液糖、粉糖、角砂糖など、用途に応じた加工品も製造されます。
砂糖市場は、国内保護政策により歪曲されています。世界生産量約1.8億トンのうち、貿易量は約6,000万トン(約33%)に留まります。ICE砂糖11号(粗糖)とロンドン白糖5号が国際価格指標です。価格は、ブラジルの生産量、インドの補助金政策、タイの収穫状況、原油価格(エタノール転換)、為替(ブラジルレアル)に影響されます。投機資金の流出入も価格変動要因となっています。
ブラジルが世界最大の生産- 輸出国(生産量約4,000万トン)で、サトウキビをエタノールと砂糖に振り分けます。インドは最大の消費国で、生産量も第2位ですが、政策により輸出入が大きく変動します。タイは第2位の輸出国、中国は最大の輸入国です。EU、米国、日本は国内生産保護のため、高関税や生産割当を実施しています。一人当たり消費量は、先進国で減少、新興国で増加傾向にあります。
砂糖消費は健康課題に直面しています。WHO推奨の1日摂取量は25g以下ですが、多くの国で超過しています。肥満、糖尿病、虫歯との関連から、砂糖税導入国が増加しています。これに対し、業界は低カロリー甘味料開発、天然由来の代替甘味料(ステビア、エリスリトール)への転換を進めています。一方、バイオプラスチック原料、バイオエタノール需要により、新たな市場が形成されています。持続可能な生産、フェアトレード認証も重要性を増しています。
シュガー
畜産物(家畜)
農業において、肉、乳、卵、皮革などを得るために飼育される動物(家畜)の総称です。牛、豚、鶏、羊などが含まれ、これら自体やその生産物がソフトコモディティとして取引されます。
エタノール
エタノールは、糖質やデンプンを発酵させて製造するアルコールで、バイオ燃料と工業用溶剤の両面で重要な商品です。サトウキビ、トウモロコシが主原料で、ガソリン混合により輸送燃料として使用されます。ブラジル、米国が二大生産国で、脱炭素化政策により需要が拡大し、エネルギー市場と農産物市場を結ぶ重要な役割を果たしています。
粗糖(原料糖)
粗糖は、サトウキビやテンサイから抽出した糖液を結晶化させた未精製の砂糖です。褐色で糖蜜を含み、ICUMSA値600-1200の品質で取引されます。国際砂糖取引の主要形態で、ICE砂糖11号先物が価格指標となります。精製工場で白糖に加工される中間原料として、世界で年間約6,000万トンが貿易されています。
精製糖(白糖)
精製糖(白糖)は、粗糖を精製して不純物を除去した純度99.9%以上の砂糖です。ICUMSA 45以下の白色度を持ち、家庭用、食品工業用として広く使用されます。グラニュー糖、上白糖、氷砂糖など多様な形態があり、用途に応じて粒度や結晶形が調整されます。品質の均一性と保存性の高さから、食品産業の基礎原料となっています。