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ブロック取引は、大口の注文を市場外で相対取引により執行する取引方法です。通常の市場取引では価格への影響が大きくなる大量の売買を、事前に交渉した価格で一括して約定させることができます。機関投資家や企業の大規模なヘッジ取引などで利用されます。
ブロック取引(Block Transaction、大口取引)は、取引所が定める一定数量以上の大口注文を、通常の市場とは別の方法で執行する特別な取引制度です。「場外取引」「交渉取引」の一種で、売り手と買い手が事前に条件を交渉し、合意した価格で大量の契約を一度に成立させます。
通常の市場取引では、大口注文は市場価格に大きな影響を与え、不利な価格で約定する可能性があります。ブロック取引は、この市場インパクトを回避しながら、大量の取引を効率的に執行する手段として開発されました。
各取引所は商品ごとにブロック取引の最小単位を定めています:
ブロック取引の価格は、通常以下の範囲内で決定されます:
年金基金や投資信託などの機関投資家は、ポートフォリオの大規模な調整時にブロック取引を活用します。市場への影響を最小限に抑えながら、必要な数量を確実に執行できます。
大手企業が原材料価格や為替リスクをヘッジする際、大量の先物契約が必要となります。ブロック取引により、ヘッジコストを抑えながら一括してポジションを構築できます。
ファンドの統合や分割、運用会社の変更などに伴うポジション移管でも活用されます。市場を通さずに大量のポジションを移転できるため、コストと時間を節約できます。
大口注文による価格変動を避けられるため、執行コストを大幅に削減できます。特に流動性の低い市場では、この効果が顕著です。
事前に交渉で合意しているため、約定の確実性が高く、部分約定のリスクがありません。計画的な取引執行が可能になります。
通常の市場に大口注文を出すと、他の参加者に意図が知られる可能性があります。ブロック取引では、約定まで情報を秘匿できます。
市場価格から乖離した価格で取引すると、一方が不利益を被る可能性があります。公正な価格形成のため、複数の相手と交渉することが重要です。
ブロック取引には、取引所への報告義務や最小取引単位などの規制があります。違反すると処分の対象となることがあります。
相対取引のため、取引相手を見つけることが困難な場合があります。特に特殊な条件や市場環境が悪い時期には、取引成立が難しくなります。
EFP(Exchange for Physicals)は現物と先物を交換する取引ですが、ブロック取引は先物同士の大口取引です。目的と仕組みが異なります。
ブロック取引は相対取引の一種ですが、取引所の管理下で行われ、清算機関を通じて決済される点で、純粋な相対取引とは異なります。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。