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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Corners and Squeezes

    コーナーとスクイーズ

    市場不正行為

    コーナーとスクイーズは、市場支配による価格操作手法です。コーナーは特定商品の供給を独占して価格を吊り上げ、スクイーズは空売り筋を追い込んで強制的に高値で買い戻させる戦略です。歴史的に銀、小麦、銅など様々な商品で発生し、市場の健全性を脅かす重大な不正行為として規制されています。

    基本概念

    **コーナーとスクイーズ(Corners and Squeezes)**は、市場における最も古典的かつ危険な価格操作手法の総称です。コーナー(Corner)は「市場を隅に追い込む」という意味で、特定商品の供給を独占することで価格を支配する行為を指します。スクイーズ(Squeeze)は「締め上げる」という意味で、主に空売り筋を追い込んで損失を強制する戦略です。

    これらの手法は19世紀から存在し、商品取引の歴史において幾度となく市場を混乱させてきました。1869年の金コーナー事件、1979-80年のハント兄弟による銀市場操作、2008年のフォルクスワーゲン株スクイーズなど、歴史的な事件が多数記録されています。

    現在では各国の規制当局により厳しく監視され、市場操作として刑事罰の対象となる重大な違法行為とされています。

    主な特徴

    供給独占による価格支配: コーナーでは現物と先物の両市場で大量のポジションを構築し、供給を実質的に独占することで価格を意のままに操作します。

    デリバリースクイーズ: 先物の受渡期限が近づくと、現物不足により空売り筋が高値での買い戻しを余儀なくされる状況を意図的に作り出します。

    ショートスクイーズ: 空売りポジションの急激な買い戻しを誘発し、価格の急騰を引き起こすことで巨額の利益を狙います。

    市場流動性の破壊: 正常な需給バランスを人為的に歪め、市場の価格発見機能を麻痺させます。

    システミックリスクの創出: 大規模な市場操作は金融システム全体に波及し、関連市場にも深刻な影響を与えます。

    実施手法

    現物市場の買い占め: 倉庫在庫、生産者との長期契約、輸送手段の確保など、あらゆる手段で現物供給を支配します。

    先物市場での大量建玉: 買いポジションを大量に積み上げ、反対売買を困難にすることで価格上昇圧力を維持します。

    情報操作: 供給不足や需要増加に関する噂を流布し、市場心理を操作して価格上昇を加速させます。

    決済日の操作: 受渡日に向けて意図的に現物を市場から隔離し、空売り筋のパニック的な買い戻しを誘発します。

    歴史的事例

    1979-80年 ハント兄弟の銀コーナー: テキサスの石油富豪ハント兄弟が世界の銀供給の3分の1を買い占め、価格を50ドルまで暴騰させた後、規制強化により破綻しました。

    2008年 フォルクスワーゲン株スクイーズ: ポルシェによる買い占めで空売り筋が追い込まれ、一時的に世界最大の時価総額企業となる異常事態が発生しました。

    2021年 ゲームストップ事件: 個人投資家の集団的行動により機関投資家の空売りポジションがスクイーズされ、株価が数十倍に急騰しました。

    規制と対策

    ポジション制限: 一つの主体が保有できる建玉数に上限を設定し、市場支配を防止します。

    大口報告制度: 一定規模以上のポジションは当局への報告が義務付けられ、監視対象となります。

    取引所の緊急措置権: 異常な価格変動時には証拠金引き上げ、取引停止、強制決済などの措置が発動されます。

    刑事罰の適用: 市場操作は詐欺罪や相場操縦罪として、懲役刑を含む厳罰が科されます。

    注意点- リスク

    法的制裁リスク: 市場操作への関与は刑事訴追、巨額の罰金、取引資格剥奪などの重大な結果を招きます。

    財務破綻リスク: 操作が失敗した場合、巨額の損失により破産に至る可能性が高くなります。

    評判リスク: 市場操作への関与が発覚すると、業界での信用を完全に失い、ビジネスの継続が困難になります。

    連鎖破綻リスク: 大規模な市場操作は他の市場参加者の破綻を誘発し、金融システム全体を脅かします。

    実務での対応

    リスク管理の徹底: 特定商品への過度な集中を避け、ポジションサイズを適切に管理することが重要です。

    市場監視: 異常な価格変動や建玉集中の兆候を早期に察知し、適切な対応を取る必要があります。

    コンプライアンス体制: 社内での不正取引防止体制を構築し、定期的な監査と教育を実施します。

    当局との協力: 市場操作の疑いがある場合は、速やかに当局に報告し、調査に協力することが求められます。

    関連用語
    Market Cornering

    市場コーナリング

    市場コーナリングは、特定商品の供給を独占的に支配して価格を操作する違法行為です。現物と先物市場で同時に大量のポジションを取り、供給を制限して人為的な価格高騰を引き起こします。歴史的にはハント兄弟の銀市場操作が有名で、現在は厳格な規制により防止されています。

    Front Running

    フロントランニング

    フロントランニングは、大口注文の情報を事前に知って、その注文の前に同様の取引を行い、価格変動を利用して利益を得る不正取引行為です。市場の公正性を損ない、投資家の信頼を失わせるため、厳しく規制されています。商品取引では、市場の透明性と公正性確保において重要な監視対象です。

    Layering

    レイヤリング

    レイヤリングは、市場操作の一種で、複数の注文を異なる価格で出して市場の需給バランスを人為的に操作する不正取引行為です。市場の公正性を損ない、投資家の信頼を失わせるため、厳しく規制されています。商品取引では、市場の透明性と公正性確保において重要な監視対象です。

    Market Abuse

    市場不正行為

    市場不正行為は、インサイダー取引、相場操縦、風説流布など市場の健全性を害する違法行為の総称です。金融商品取引法や商品先物取引法により厳格に規制され、違反者には刑事罰、課徴金、取引資格剥奪などの重い制裁が科されます。市場監視と早期発見が金融システムの信頼維持に不可欠です。

    Pump and Dump

    パンプ・アンド・ダンプ

    パンプ・アンド・ダンプは、虚偽情報や大量買い付けで株価を人為的に吊り上げた後、高値で売り抜ける古典的な市場操作手法です。SNSやネット掲示板を悪用した手口が増加しており、個人投資家を標的にした金融詐欺として世界各国で厳しく取り締まられています。

    Quote Stuffing

    クォートスタッフィング

    クォートスタッフィングは、大量の注文を超高速で出し入れすることで市場システムに負荷をかけ、他の参加者の取引を妨害する不正行為です。高頻度取引技術を悪用した市場操作として、取引所の監視システム強化と規制当局による厳格な取り締まりの対象となっています。

    Spoofing

    スプーフィング

    見せ玉(Spoofing)は、約定意図なく大量の注文を発注し直後に取消すことで、虚偽の市場深度を演出する違法な価格操作行為です。商品取引では高頻度取引の監視強化により厳しく取り締まられる重大な市場不正行為です。