綿実は綿花栽培の副産物で、搾油原料と飼料として利用されます。綿実油は食用油として、綿実粕は反芻動物の飼料として重要です。年間生産量は約4,500万トンで、インド、中国、米国が主要生産国です。
綿実(Cottonseed)は、綿花栽培の副産物で、綿繊維1トンに対して約1.6トンの綿実が生産されます。年間生産量は約4,500万トンで、搾油原料と飼料として重要な農産物です。綿実油は世界第5位の植物油(年間約500万トン)で、綿実粕は反芻動物の重要なタンパク源となっています。
主要生産国は、綿花生産国と一致し、インド(約1,500万トン)、中国(約1,000万トン)、米国(約600万トン)、パキスタン(約400万トン)、ブラジル(約300万トン)です。綿実の約65%が搾油され、残りは播種用、飼料用(全粒)として利用されます。地域により利用方法が異なり、先進国では搾油、開発途上国では直接飼料利用が多いです。
綿実の組成は、油分18-22%、タンパク質23%、繊維20%、炭水化物37%です。搾油により、綿実油(16%)、綿実粕(45%)、綿実殻(26%)が生産されます。綿実油は、不飽和脂肪酸が豊富で、精製後は高級食用油として利用されます。また、マーガリン、ショートニング、石鹸の原料にもなります。
綿実粕は、タンパク質含有量36-41%の高タンパク飼料です。反芻動物(牛、羊)には優れた飼料ですが、単胃動物(豚、鶏)への給与は制限されます。これは、ゴシポール(綿実特有の有毒物質)の存在によるもので、反芻動物は第一胃でゴシポールを無毒化できますが、単胃動物では毒性が現れます。脱ゴシポール処理により、利用範囲が拡大しています。
全粒綿実は、エネルギーとタンパク質を同時に供給できる飼料として、乳牛飼料で重宝されています。脂肪含有量が高く、乳脂率向上効果があります。また、綿実殻は粗飼料として利用されるほか、キノコ栽培の培地、バイオマス燃料としても活用されます。
価格形成は、綿花価格、他の油糧種子価格、飼料需要により決定されます。綿実は綿花生産の副産物であるため、綿花の作付面積と収穫量に供給が左右されます。綿実油価格は他の植物油(大豆油、パーム油)との競合で決まり、綿実粕価格は大豆粕など他のタンパク飼料との競合で決定されます。
国際取引は限定的で、主に地域内で消費されます。インドが最大の綿実油輸出国で、中国、パキスタンが主要輸入国です。綿実粕は、ゴシポール含有のため国際基準が厳格で、貿易量は少ないです。バイオテクノロジーにより、低ゴシポール品種やゴシポールフリー品種の開発が進み、食用- 飼料用途の拡大が期待されています。
わたみ
なたね / キャノーラ
アブラナ科の植物で、その種子から菜種油(キャノーラ油)を搾油するために広く栽培されます。油粕は飼料としても利用される、重要な油糧種子(オイルシード)です。
落花生(ピーナッツ)
マメ科の一年草で、その種子が食用や搾油用に利用されます。ナッツとして扱われがちですが植物学的には豆類です。ピーナッツバターや菓子原料、ピーナッツオイルとして消費されます。
魚粉
魚粉は魚を乾燥・粉砕した高タンパク飼料で、養殖魚や養鶏の重要な飼料原料です。タンパク質含有量60-72%で、必須アミノ酸を豊富に含みます。ペルー、チリが主要生産国で、エルニーニョが供給に大きく影響します。
パーム核
Palm Kernelは、アブラヤシの果実からパーム油を搾油した後に残る種子部分です。パーム核油の原料として使用され、化粧品、石鹸、食品添加物など様々な製品の製造に活用されています。マレーシアやインドネシアを中心に生産され、国際取引において重要な油脂原料として取引されています。持続可能な生産と環境配慮が求められる商品です。
ひまわりの種
ひまわり種子は、食用油と飼料原料の重要な供給源となる油糧種子です。ウクライナ、ロシアが主産地で、高品質の食用油を産出し、世界の植物油市場で重要な位置を占めています。
タンパク質ミール
プロテインミールは、油糧種子から油を抽出した後の高タンパク質副産物です。大豆ミール、菜種ミールなどが主要製品で、飼料産業の基幹原料として世界的に取引される重要な農産物となっています。
キャノーラ(菜種)
アブラナ科の菜種(Rapeseed)のうち、エルシン酸とグルコシノレートの含有量を品種改良により低減させた特定の品種群の名称です。主にカナダで開発され、食用油(キャノーラ油)として広く利用されています。