読み込み中...
魚粉は魚を乾燥・粉砕した高タンパク飼料で、養殖魚や養鶏の重要な飼料原料です。タンパク質含有量60-72%で、必須アミノ酸を豊富に含みます。ペルー、チリが主要生産国で、エルニーニョが供給に大きく影響します。
魚粉(Fishmeal)は、魚を加熱- 圧搾- 乾燥- 粉砕して製造される高タンパク飼料で、養殖業と畜産業の重要な飼料原料です。タンパク質含有量は60-72%と極めて高く、必須アミノ酸、特にリジンとメチオニンを豊富に含みます。また、オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)、ビタミンB12、ミネラルも豊富で、飼料価値が極めて高い原料です。
年間生産量は約500万トンで、主要生産国はペルー(約120万トン)、チリ(約50万トン)、中国(約40万トン)、タイ(約30万トン)、ベトナム(約25万トン)です。原料魚は、カタクチイワシ(アンチョビー)が最も重要で、ペルー- チリ沖の生産量の大部分を占めます。その他、サバ、イワシ、メンヘーデン、加工残渣なども原料となります。
製造工程は、蒸煮、圧搾、乾燥、粉砕から成ります。圧搾により魚油(4-10%)が分離され、固形分を乾燥させて魚粉となります。品質により、ホールミール(全魚)とホワイトミール(加工残渣)に分類されます。タンパク質含有量により、FAQ(Fair Average Quality、64-65%)、プライム(67-68%)、スーパープライム(68%以上)に格付けされます。
養殖飼料での重要性は極めて高く、特にサーモン、エビ、ウナギなどの養殖には不可欠です。養殖飼料の10-30%を魚粉が占め、成長促進、生存率向上、肉質改善効果があります。養鶏飼料では3-5%、養豚飼料では2-3%配合され、成長促進と飼料効率改善に寄与します。ペットフード産業でも高品質タンパク源として需要があります。
エルニーニョ現象が供給に大きく影響し、強いエルニーニョ年にはペルー沖のカタクチイワシ漁獲が激減します。2016年のエルニーニョでは、生産量が40%減少し、価格が2倍以上に高騰しました。持続可能な漁業管理のため、ペルーでは漁獲枠(TAC)制度を導入し、資源保護を図っています。
価格形成要因として、ペルー- チリの漁獲量、エルニーニョ/ラニーニャ、養殖生産量(特に中国、ノルウェー)、代替タンパク源価格、為替相場が影響します。価格は大豆粕の2-3倍で推移し、供給ショック時には5倍以上になることもあります。
国際貿易は活発で、生産量の約60%が輸出されます。ペルーが最大輸出国(約80万トン)、中国が最大輸入国(約140万トン)です。日本、ノルウェー、ドイツも主要輸入国です。代替品として、大豆粕などの植物性タンパク、昆虫ミール、単細胞タンパクの開発が進んでいますが、栄養価と嗜好性で魚粉の完全代替は困難です。持続可能な供給確保が、養殖業発展の重要課題となっています。
フィッシュミール
なたね / キャノーラ
アブラナ科の植物で、その種子から菜種油(キャノーラ油)を搾油するために広く栽培されます。油粕は飼料としても利用される、重要な油糧種子(オイルシード)です。
落花生(ピーナッツ)
マメ科の一年草で、その種子が食用や搾油用に利用されます。ナッツとして扱われがちですが植物学的には豆類です。ピーナッツバターや菓子原料、ピーナッツオイルとして消費されます。
パーム核
Palm Kernelは、アブラヤシの果実からパーム油を搾油した後に残る種子部分です。パーム核油の原料として使用され、化粧品、石鹸、食品添加物など様々な製品の製造に活用されています。マレーシアやインドネシアを中心に生産され、国際取引において重要な油脂原料として取引されています。持続可能な生産と環境配慮が求められる商品です。
ひまわりの種
ひまわり種子は、食用油と飼料原料の重要な供給源となる油糧種子です。ウクライナ、ロシアが主産地で、高品質の食用油を産出し、世界の植物油市場で重要な位置を占めています。
タンパク質ミール
プロテインミールは、油糧種子から油を抽出した後の高タンパク質副産物です。大豆ミール、菜種ミールなどが主要製品で、飼料産業の基幹原料として世界的に取引される重要な農産物となっています。
綿実
綿実は綿花栽培の副産物で、搾油原料と飼料として利用されます。綿実油は食用油として、綿実粕は反芻動物の飼料として重要です。年間生産量は約4,500万トンで、インド、中国、米国が主要生産国です。
キャノーラ(菜種)
アブラナ科の菜種(Rapeseed)のうち、エルシン酸とグルコシノレートの含有量を品種改良により低減させた特定の品種群の名称です。主にカナダで開発され、食用油(キャノーラ油)として広く利用されています。