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受渡可能商品は、先物契約の満期時に実際の現物を受け渡すことができる商品のことです。金、原油、小麦などの物理的な商品が該当し、品質基準を満たせば契約通りの受け渡しが可能です。現物決済により価格の収束性が保証され、先物価格と現物価格の乖離を防ぐ重要な仕組みとして、市場の健全性を維持する役割を果たしています。
受渡可能商品(Deliverable Commodity)は、先物契約やオプション契約において、満期時に実際の物理的商品を受け渡すことができる商品を指します。「現物決済可能商品」「実物受渡商品」とも呼ばれ、金融派生商品と実物経済を結びつける重要な要素です。
受渡可能性は、先物市場の価格発見機能と現物市場との連動性を保証する基本的なメカニズムです。満期時に現物受渡の可能性があることで、先物価格が現物価格から大きく乖離することを防ぎ、市場の効率性と信頼性を維持しています。
商品が物理的に存在し、保管- 輸送が可能であることが前提条件です。触れることができ、倉庫に保管でき、トラックや船で運搬できる商品である必要があります。
取引所が定める品質基準を満たす必要があります。純度、グレード、仕様などが明確に規定され、検査により品質を証明できることが求められます。
契約期間中、品質を維持したまま保管できることが必要です。腐敗しにくく、適切な保管施設で管理可能な商品が対象となります。
市場操作を防ぐため、十分な量の商品が市場に存在することが必要です。希少すぎる商品は、受渡可能商品として適さない場合があります。
通知期間:売り手が受渡の意思を通知する期間が設定されています。ファーストノーティスデー(最初の通知日)からラストトレーディングデー(最終取引日)までの間に通知が行われます。
マッチング:取引所または清算機関が、売り手と買い手をマッチングします。通常は、最も古いポジションを持つ買い手から順に割り当てられます。
受渡場所:取引所が指定する倉庫、港湾、パイプラインターミナルなどで受渡しが行われます。複数の受渡場所が指定される場合、価格調整が行われることがあります。
検査と証明:独立した検査機関が品質を確認し、受渡証明書を発行します。この証明書により、商品が契約仕様を満たしていることが保証されます。
実際の先物取引では、受渡まで至るケースは全体の1-3%程度と少数です。多くの市場参加者は、満期前に反対売買により決済します。しかし、この少数の受渡可能性が、市場全体の価格形成に重要な役割を果たしています。
受渡を行う主な参加者:
コンバージェンス(収束):満期が近づくにつれ、先物価格は現物価格に収束します。受渡可能性がこの収束を保証する仕組みとなっています。
デリバリープレミアム:受渡コストや品質差により、先物価格と現物価格に一定の差が生じることがあります。
スクイーズリスク:受渡可能な商品の供給が不足すると、価格が急騰する「スクイーズ」が発生する可能性があります。
デジタル倉庫証券:所有権の移転が瞬時に行え、偽造リスクも排除されます。
現金決済商品(株価指数先物など)は、満期時に差金のみを決済し、現物の受渡しは行いません。受渡可能商品は実物の移転を伴う点で異なります。
先渡契約も受渡可能ですが、相対取引で標準化されていません。受渡可能商品は取引所で標準化された契約である点が異なります。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。