Fixed Hedge

### 概要 固定ヘッジ（Fixed Hedge）とは、将来の価格変動リスクや金利変動リスク、為替変動リスクなどを管理するために、ヘッジ対象となる取引やキャッシュフローの価格、レート、または数量を、現時点で**固定**するヘッジ戦略またはその状態を指します。市場の変動に応じてヘッジ量を調整する「動的ヘッジ（Dynamic Hedge）」とは対照的なアプローチです。「静的ヘッジ（Static Hedge）」とほぼ同義で用いられることもあります。 ### 主な手法と例 - **先渡契約 (Forward Contract) / 為替予約:** 将来の特定日に売買する商品価格や為替レートを契約時点で固定します。 - **固定価格での長期供給・購入契約:** 原材料の供給者と需要家が、契約期間中の取引価格を固定します。 - **金利スワップ（固定金利受取/支払）:** 変動金利リスクをヘッジするために、変動金利支払を固定金利支払に交換するスワップ。 - **先物取引（満期まで保有する場合）:** 理論上、先物を売買し満期まで保有すれば、取引価格はその約定価格で固定されます。 ### 特徴 - **確実性:** 将来の価格やレートが確定するため、不確実性が排除され、予算策定や収益計画が立てやすくなります。 - **機会損失:** 市場が有利な方向に変動した場合、その利益を得る機会は放棄することになります。 - **シンプルさ:** 一度ヘッジを実行すれば、通常、満期まで追加的なアクションは不要です。 ### 利用場面 - 価格変動リスクを確実に回避したい場合。 - 将来のコストや収益を確定させたい場合。 - ヘッジの運用コストや複雑さを避けたい場合。 固定ヘッジは、不確実性を排除する確実な方法ですが、市場が有利に動いた場合の利益機会も失うというトレードオフがあります。