Perfect Hedge
パーフェクトヘッジ
ヘッジ対象資産の価格変動リスクを、ヘッジ取引によって完全に(100%)相殺できる状態のヘッジのことです。「完全ヘッジ」とも呼ばれます。現実の市場では達成が困難な、理論的な概念です。
同義語・略語
["完全ヘッジ"]
ダイナミックヘッジ
市場の変動に合わせて、ヘッジポジションの保有量や内容を継続的に調整していくヘッジ手法です。オプションのデルタヘッジなどが代表例で、静的なヘッジ(スタティックヘッジ)と対比されます。
固定ヘッジ
将来の取引やキャッシュフローに関して、価格、数量、期間などをあらかじめ固定し、市場変動リスクを回避するヘッジ手法のことです。為替予約や固定価格での長期契約などが該当します。
ガンマヘッジ
オプションポートフォリオのガンマ(デルタの変化率)リスクを、他のオプション取引などを利用して相殺するヘッジ手法です。デルタヘッジの不安定性を抑制し、より安定したヘッジを目指す際に用いられます。
インパーフェクトヘッジ
ヘッジ対象のリスクを完全には相殺できず、何らかのリスク(ベーシスリスクなど)が残存してしまうヘッジのことです。現実のヘッジ取引の多くはこの形態を取ります。パーフェクトヘッジと対比されます。
クロスヘッジ
ヘッジ対象と完全に同一の手段がない場合に、価格連動性が高い別の資産(先物等)を用いてリスク軽減を図る代替ヘッジ手法です。 統計分析に基づく最適なヘッジ比率の計算が重要ですが、対象と代替手段の値動きのずれ(ベーシスリスク)が残ります。 ジェット燃料を原油先物でヘッジする場合などが例で、プロキシヘッジよりも広い代替ヘッジの概念として使われます。
為替ヘッジ
将来の為替レート変動によって、外貨建て資産の価値が目減りしたり、外貨建て取引の円貨額が不利になったりするリスク(為替リスク)を回避・軽減するために行う取引のことです。
デルタヘッジ
オプションなどのデリバティブポジションが持つ価格変動リスク(デルタ)を、原資産の売買によって相殺するヘッジ手法です。デルタ・ニュートラルな状態を目指し、価格変動の影響を中立化します。
マクロヘッジ
個別の資産や取引のリスクではなく、金利、為替、株価指数、景気変動といったマクロ経済全体の変動が、ポートフォリオ全体や企業経営全体に与える影響をヘッジ(回避・軽減)する戦略のことです。
最小分散ヘッジ
ヘッジ後のポートフォリオ(ヘッジ対象資産+ヘッジ手段)の価値変動の分散(リスク)を最小にするように、ヘッジ手段の保有量(ヘッジ比率)を決定するヘッジ手法です。
ナチュラルヘッジ
企業の通常の事業活動の中に、意図せずとも特定のリスクを相殺するような効果が内在している状態を指します。例えば、輸出企業が輸入も行っている場合の為替リスク相殺などです。
ワンウェイヘッジ
為替変動リスクなどに対し、不利な方向への変動リスク(例:円高リスク)のみをヘッジし、有利な方向への変動による利益(例:円安メリット)は確保しようとするヘッジ戦略のことです。オプション取引などが利用されます。
プロキシヘッジ
ヘッジ対象に直接的な手段がない場合、価格連動性が統計的に高い別の資産(プロキシ)を用いてリスク軽減を図る代替ヘッジ手法です。 プロキシ選定とヘッジ比率計算が重要となり、非上場株や流動性の低い商品のヘッジなどに用いられます。 対象とプロキシの値動きのずれ(ベーシスリスク)がヘッジ効果を不安定にする可能性がある点に注意が必要です。
参考文献はありません