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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Implied Price

    インプライド・プライス(隐含価格)

    価格モデルと理論

    インプライド価格とは、他の市場価格から理論的に導出される価格です。オプションのインプライドボラティリティ、スプレッド取引から逆算される個別商品価格など、直接観察できない価値を間接的に推定します。裁定取引の機会発見に活用されます。

    基本概念

    インプライド価格(Implied Price)は、直接観察できない商品や条件の価値を、関連する市場価格から理論的に導出した価格です。オプション価格から逆算されるインプライドボラティリティ、スプレッド取引から導かれる個別商品価格、複合商品から推定される構成要素の価格などが該当します。市場の期待や需給バランスを間接的に把握する重要な指標となります。

    この概念は、デリバティブ市場の発展とともに重要性を増しました。特に、オプション市場におけるインプライドボラティリティは、市場参加者の将来の価格変動に対する期待を数値化した指標として広く活用されています。商品市場でも、複雑な取引構造から基礎となる価値を抽出する手法として発展しています。

    主な特徴

    間接的な価値評価
    直接取引されない商品や条件の価値を、取引可能な商品の価格から推定します。

    市場期待の反映
    インプライド価格には、市場参加者の将来予想や、リスク認識が織り込まれています。

    理論モデルの使用
    価格の導出には、オプション価格理論、無裁定条件などの理論モデルを使用します。

    動的な変化
    基となる市場価格の変動に応じて、インプライド価格も常に変化します。

    実務での活用

    オプション取引では、インプライドボラティリティが最も重要な指標です。トレーダーは、過去のボラティリティと比較して、オプションの割高- 割安を判断します。VIX指数(恐怖指数)は、S&P500オプションのインプライドボラティリティから算出され、市場のリスク認識を示します。

    スプレッド取引でも活用されます。クラックスプレッド(原油と石油製品の価格差)から、精製マージンのインプライド価格を算出し、製油所の収益性を評価します。

    メリット- 効果

    隠れた価値の発見:直接観察できない価値を定量化し、投資判断に活用できます。

    市場心理の把握:インプライド価格から、市場参加者の期待や不安を読み取ることができます。

    裁定機会の発見:理論価格と実際の価格の乖離から、取引機会を見出せます。

    注意点- リスク

    モデル依存性:使用するモデルの前提条件により、インプライド価格が変わります。

    流動性の影響:基となる市場の流動性が低い場合、インプライド価格の信頼性が低下します。

    循環論理の危険:インプライド価格から導いた結論を、元の価格決定に使用する循環論理に陥る可能性があります。

    関連用語との違い

    理論価格との違い:理論価格は独立したモデルから算出しますが、インプライド価格は市場価格から逆算します。

    推定価格との違い:推定価格はより広い概念で、インプライド価格は市場価格から導出される特定の手法です。

    実務ポイント- 事例

    2020年の原油市場混乱時、カレンダースプレッド(異なる限月の価格差)から、保管コストのインプライド価格が算出されました。通常は月額$0.5/バレル程度の保管コストが、4月には$10/バレルを超えるインプライド価格となり、物理的な保管施設の逼迫を示していました。この情報は、現物を取り扱うトレーダーにとって重要な判断材料となりました。

    関連用語
    Real Price

    実質価格

    実質価格とは、インフレの影響を除去し、基準年の購買力で表現した価格です。商品の長期価格トレンドを分析し、真の価値変動を把握するために不可欠です。例えば、原油の名目価格が2倍でも、物価が2倍なら実質価格は変わっていないことになります。

    Mark-to-Market

    時価評価

    時価評価とは、保有ポジションを毎日の終値で評価し直す手法です。商品先物取引では日次で未実現損益を計算し、証拠金の調整を行います。この仕組みにより、信用リスクを最小化し、市場の透明性と健全性を維持しています。

    Benchmark Pricing

    ベンチマーク価格

    ベンチマーク価格とは、商品取引の基準となる指標価格による価格決定方法です。WTI原油、LME銅、シカゴ小麦などの国際指標価格に、品質調整や輸送費を加減して個別取引の価格を決定します。価格の透明性と公正性を確保する重要な仕組みです。

    Valuation

    評価

    価値評価とは、商品の適正価格を決定するプロセスです。市場価格、理論モデル、需給分析、比較可能な取引事例などを総合的に検討し、その商品が持つ本質的価値を金額で表現します。商品取引における意思決定の基礎となる重要な作業です。

    Model Price

    モデル価格(理論価格)

    モデル価格とは、数理モデルと市場データから算出される理論上の適正価格です。商品オプションではブラック・ショールズモデル、先物ではコスト・オブ・キャリーモデルなどを用いて、現在の市場価格が割高か割安かを判断する基準となります。

    Nominal Price

    名目価格(ノミナル価格)

    名目価格とは、インフレ調整を行わない、その時点の通貨額で表示された価格です。日常の取引や契約はすべて名目価格で行われますが、長期的な価格動向を分析する際は、実質価格との区別が重要となります。商品市場の見かけ上の価格変動を示します。

    Ceiling Price

    上限価格 (天井価格)

    上限価格とは、商品価格に設定される最高限度です。政府による価格統制、取引所の値幅制限、供給契約での価格キャップなど、様々な形で存在します。消費者保護や市場の安定化を目的としますが、供給不足を招く可能性もあります。