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インゴットは、金属を鋳型に流し込んで固めた塊で、金属製品の基本形態です。金、銀などの貴金属は投資商品として、鉄鋼、非鉄金属は工業原料として流通します。純度、重量、刻印により品質が保証され、国際規格に基づいて取引されます。保管、輸送が容易で、金属取引の標準形態となっています。
インゴット(Ingot、鋳塊)は、溶融金属を鋳型に注入して凝固させた一定形状の金属塊で、金属製品の最も基本的な形態です。用途により、圧延- 鍛造用の大型インゴット、再溶解用の中型インゴット、投資- 保管用の小型インゴットに分類されます。形状は、直方体、台形、円柱形などがあり、金属種類と用途により標準化されています。貴金属インゴットは資産として、工業用インゴットは原料として、それぞれ異なる市場で取引されます。
インゴット製造は、金属種により異なる工程を経ます。鋼塊は、造塊法により溶鋼を鋳型に注入し、凝固後に型抜きします。非鉄金属は、連続鋳造または半連続鋳造が主流です。貴金属は、電解精錬後に精密鋳造されます。品質管理では、化学成分分析、非破壊検査、表面検査が実施されます。偏析、収縮孔、介在物などの内部欠陥を最小化する凝固制御が重要です。トレーサビリティ確保のため、ロット番号、製造者マークが刻印されます。
貴金属インゴットは、現物投資の主要形態です。金インゴットは、LBMA(ロンドン地金市場協会)のGood Delivery規格(400オンス、純度99.5%以上)が国際標準です。小口投資用には、1kg、100g、1オンスバーが流通します。銀、プラチナ、パラジウムも同様に規格化されています。価格は、スポット価格にプレミアム(製造- 流通コスト)を加えて決定されます。保管は、認定保管庫でのAllocated(特定保管)またはUnallocated(混蔵保管)で行われます。
工業用インゴットは、二次加工の原料として重要です。アルミニウムインゴットは、標準20-25kgで、自動車、建材産業で使用されます。銅インゴットは、電線、配管の原料となります。亜鉛、鉛、錫などもインゴット形態で取引されます。LME(ロンドン金属取引所)承認ブランドは、品質保証され、現物決済に使用可能です。輸送効率、荷役作業性を考慮した形状- 重量の標準化が進んでいます。
インゴット取引のデジタル化が進展しています。デジタルゴールドなど、小口分割所有を可能にする金融商品が登場しています。3Dプリンティング用の金属粉末需要により、インゴットから粉末への加工需要が増加しています。環境対応として、グリーンメタル認証、カーボンフットプリント表示が始まっています。リサイクル由来インゴットの識別、トレーサビリティ強化も重要課題となっています。
鋳塊
ビレット
ビレットは、圧延工程の中間製品で、断面が正方形または長方形の鋼材です。連続鋳造または圧延により製造され、棒鋼、線材、形鋼の素材となります。国際商品として活発に取引され、トルコ、中国の輸出価格が国際指標となっています。建設需要と密接に関連し、経済活動のバロメーターとなっています。
鉄鉱石
鉄鉱石は、鉄を含有する鉱物資源で、製鉄の主原料です。主にヘマタイト(赤鉄鉱)とマグネタイト(磁鉄鉱)から成り、鉄含有率は50-70%程度です。オーストラリア、ブラジルが主要産地で、中国の需要が価格を左右します。高炉製鉄の基礎原料として世界経済を支えています。
鉄系金属
鉄系金属(Ferrous Metals)は、鉄を主成分とする金属と合金の総称で、鋼鉄や鋳鉄が代表例です。建設から自動車まで幅広い産業の基盤材料として、世界で最も多く使用される金属です。強度と加工性のバランスに優れ、リサイクルも容易という特徴があります。
鋼(鋼鉄)
鉄(Fe)を主成分とし、炭素(C)を少量(通常0.02~2.14%)含有する合金です。純鉄よりも強度、硬度、靭性が大幅に向上しており、最も広く利用されている金属材料です。用途に応じて様々な種類があります。