Steel

概要

鋼（Steel、こう）または鋼鉄（こうてつ）は、鉄（Fe）を主成分とし、炭素（C）を0.02%から2.14%程度含有する鉄合金の総称です。純粋な鉄は比較的柔らかいため、炭素を加えることで硬度や強度、靭性（粘り強さ）を飛躍的に向上させています。人類が最も大量に生産- 消費している金属材料であり、現代社会の基盤を支えています。

種類

鋼は、含有される炭素量や添加される他の合金元素によって、様々な種類に分類されます。

• 炭素鋼 (Carbon Steel): 主に鉄と炭素のみからなる鋼。炭素含有量によって、低炭素鋼（軟鋼）、中炭素鋼、高炭素鋼に分けられ、それぞれ強度や加工性が異なります。
• 合金鋼 (Alloy Steel): 炭素鋼に、クロム（Cr）、ニッケル（Ni）、モリブデン（Mo）、マンガン（Mn）、バナジウム（V）、タングステン（W）などの合金元素を一種または複数添加し、特定の性質（強度、硬度、耐食性、耐熱性、耐摩耗性など）を向上させた鋼。
  • ステンレス鋼 (Stainless Steel): クロムを主として（通常10.5%以上）含む、耐食性に優れた合金鋼。
  • 工具鋼 (Tool Steel): 高い硬度、耐摩耗性、靭性を持つ、工具用の合金鋼。
  • 高張力鋼 (High Strength Steel): 強度を高めた鋼。自動車の軽量化などに利用。
  • その他、耐熱鋼、ばね鋼、軸受鋼など多数。

用途

建設（鉄骨、鉄筋、橋梁）、自動車（ボディ、エンジン）、船舶、鉄道、機械（産業機械、工作機械）、エネルギー（パイプライン、プラント）、容器（缶）、工具、家電製品、日用品など、考えられるほぼ全ての産業分野で基盤材料として利用されています。

市場

鋼材は、形状（H形鋼、鋼板、線材、鋼管など）や種類によって様々な製品があり、それぞれ市場で取引されています。原料となる鉄鉱石や原料炭、鉄スクラップ、および製品である鋼材（熱延コイル HRC や鉄筋 Rebar など）の先物市場も存在します。