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原商品の価格があらかじめ定めた期間中に一度でも定めた数値に達した場合、権利が消滅するオプション。
ノックアウト・オプション(Knockout Option)とは、原商品の価格があらかじめ定めた期間中に一度でも定めた数値(バリア価格)に達した場合、権利が消滅するオプションです。バリア・オプションの一種で、通常のオプションとは異なり、権利行使期間中に特定の価格水準に触れると自動的に無価値になります。この特性により、通常のオプションより安いプレミアムで購入できる一方、バリア価格に達するリスクを常に負うことになります。投資家にとってはコスト効率的なヘッジ手段として、発行者にとってはリスク限定的な商品として活用されています。
ノックアウト・オプションは、1980年代後半に投資銀行が開発したエキゾチック・オプションの一つです。当時、機関投資家からより安価なヘッジ手段への要求が高まり、従来のバニラ・オプションより複雑だが安価な商品が求められていました。フランスの投資銀行が為替オプションで初めて実用化し、その後世界的に普及しました。
1990年代には株価指数、商品、金利など様々な原資産でノックアウト・オプションが開発されました。特に日本では、個人投資家向けの仕組債にノックアウト条項が組み込まれることが多く、リテール市場でも広く知られるようになりました。
アップ・アンド・アウトでは、原資産価格が上方のバリア価格に達すると権利が消滅します。コール・オプションの場合、株価上昇による利益が制限される代わりに安いプレミアムで購入できます。
ダウン・アンド・アウトでは、原資産価格が下方のバリア価格に達すると権利が消滅します。プット・オプションの場合、一定水準以下への下落で権利が失われますが、その分安価に購入できます。
ダブル・バリアでは、上下両方にバリア価格が設定され、どちらかに達すると権利が消滅します。より制約が厳しい分、さらに安いプレミアムとなります。
ノックアウト・オプションの価格は、通常のオプション価格からバリア・リスクを差し引いて算出されます。バリア価格の位置が最も重要で、現在価格から遠いほど高価格、近いほど安価格となります。
ボラティリティは二面性があります。高ボラティリティはオプション価値を高める一方、バリアに達する確率も高めるため、ノックアウト・オプションでは価格への影響が複雑になります。
残存期間が長いほど、バリアに達する確率が高まるため、通常のオプションとは逆に価格が下がる場合があります。
コスト削減ヘッジでは、完全なヘッジは不要だが、ある程度のリスク軽減を安価に実現したい場合に使用されます。例えば、株価が20%下落したらヘッジ効果がなくなっても構わない投資家が活用します。
方向性投機では、強い方向感を持つ投資家が、レバレッジを効かせた投資を安価に実行する手段として利用します。ただし、予想と反対方向への変動でバリアに達するリスクがあります。
バリア・リスクが最大のリスクです。権利行使期間中、常にバリア価格の監視が必要で、一瞬でもバリアに達すると権利が完全に失われます。
流動性リスクでは、複雑な商品のため流動性が低く、途中売却が困難な場合があります。モデル・リスクでは、価格算出に複雑な数学モデルが使用されるため、モデルの前提条件により価格が大きく変動する可能性があります。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。