Liquidity

### 概要 流動性（Liquidity）とは、金融や経済の文脈において、主に以下の二つの意味合いで使われます。 1. **資産の流動性（換金性）:** - 保有している資産（株式、債券、不動産、商品など）を、価値を大きく損なうことなく（不利な価格で売却することなく）、どれだけ迅速かつ容易に現金に換えることができるか、その度合いを指します。 - 一般的に、現金や預金は流動性が最も高く、上場株式や主要国債は比較的高く、不動産や未公開株、美術品などは低いとされます。 2. **市場の流動性:** - 特定の市場（株式市場、為替市場、債券市場など）において、取引がどれだけ活発に行われ、参加者が希望する価格で、希望する量を、迅速に売買できるか、その市場の厚みや取引のしやすさを示します。 - 流動性が高い市場では、取引量が多く、買値（ビッド）と売値（アスク）の差（スプレッド）が狭く、大口の注文でも価格への影響（マーケットインパクト）が小さい傾向があります。 ### 重要性 - **投資家にとって:** 保有資産の流動性は、必要な時に資金化できるかどうかに直結します。流動性が低い資産は、売りたい時に売れない、あるいは大幅な値引きをしないと売れない「流動性リスク」を伴います。 - **市場機能にとって:** 市場の流動性は、価格発見機能（公正な価格形成）や、円滑な取引執行のために不可欠です。流動性が枯渇すると、価格が乱高下したり、取引自体が困難になったりします（例: 金融危機時の市場）。 - **企業財務にとって:** 企業が短期的な支払い能力を維持するためには、手元資金や換金性の高い資産（現金同等物）といった「手元流動性」を確保することが大切です（資金流動性）。 流動性は、資産価値や市場の健全性を測る上で重要な要素です。