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金融商品市場および外国金融商品市場によらないで行う店頭デリバティブ取引のうち、通貨や預金金利などを原商品とする取引。
店頭金融先物取引(OTC Financial Futures)とは、金融商品市場および外国金融商品市場によらないで行う店頭デリバティブ取引のうち、通貨や預金金利などを金融商品とする取引です。取引所を介さずに当事者間で直接行われる相対取引で、契約条件を自由に設定できる柔軟性が特徴です。銀行、証券会社、機関投資家などの金融機関が主要な参加者となり、リスクヘッジ、投機、裁定取引の目的で利用されています。
店頭金融先物取引は、1970年代の変動為替制移行とともに本格的に発展しました。当時、為替リスクのヘッジ需要が急激に高まりましたが、取引所での標準化された契約では個別のニーズに対応できませんでした。このため、銀行間市場で相対取引による為替フォワードが急速に拡大しました。
1980年代には金利の自由化とともに、金利リスクのヘッジ需要も高まり、金利スワップ、FRA(Forward Rate Agreement)などの店頭金利デリバティブが発達しました。1990年代以降は、クレジット・デリバティブ、エクイティ・デリバティブなど、より複雑な店頭商品が開発されました。
為替フォワードは最も基本的な店頭金融先物です。将来の特定日に現在決めた為替レートで通貨を交換する契約で、期間や金額を自由に設定できます。
**FRA(Forward Rate Agreement)**では、将来の特定期間の金利を現在確定する契約です。実際の資金授受は行わず、基準金利との差額のみを決済します。
通貨スワップでは、異なる通貨の元本と金利を一定期間交換する契約です。長期的な為替・金利リスクの管理に使用されます。
契約の標準化では、取引所取引が標準化された契約仕様で行われるのに対し、店頭取引では当事者が自由に契約条件を設定できます。
清算機関では、取引所取引では清算機関が取引相手方リスクを排除しますが、店頭取引では当事者が直接このリスクを負います。
流動性では、取引所取引の方が一般的に流動性が高く、店頭取引では途中解約や第三者への譲渡が困難な場合があります。
2008年の金融危機を受けて、店頭デリバティブ取引に対する規制が世界的に強化されています。清算集中義務では、標準化された取引について清算機関を通じた清算が義務付けられています。
証拠金規制では、清算集中されない取引について当事者間での証拠金授受が義務化されています。取引報告義務では、取引の詳細を規制当局に報告することが求められています。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。