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四半期限月(3, 6, 9, 12月)の先物において、1年ごとに区分された連続する4限月分の先物を同一取引単位で一括して取引すること。
パック(Pack)とは、四半期限月(3月、6月、9月、12月)の先物において、1年ごとに区分された連続する4限月分の先物を同一取引単位で一括して取引することです。例えば、「レッド・パック」では当年の残り四半期限月を、「グリーン・パック」では翌年の4四半期限月を一括取引します。主に短期金利先物で使用される概念で、1年間の金利リスクを効率的にヘッジしたり、イールドカーブの短期部分に対する投資戦略を実行したりする際に活用されます。
パック取引は、1980年代後半にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で開発されました。ユーロドル先物の取引量拡大とともに、機関投資家から短期間の金利リスクを効率的にヘッジする手段への要求が高まりました。個別限月ごとの取引では執行コストが高く、管理も煩雑だったため、複数限月を一括取引する仕組みが考案されました。
1990年代には色分けによる区分システムが確立され、レッド、グリーン、ブルー、ゴールドの4色で年次を区別するようになりました。このシステムにより、トレーダーは直感的にパックの期間を理解できるようになりました。
レッド・パックは当年の残り四半期限月で構成されます。年の途中からは3限月または2限月となる場合があります。
グリーン・パックは翌年の4四半期限月(3月、6月、9月、12月)で構成されます。
ブルー・パックは翌々年の4四半期限月で構成されます。
ゴールド・パックは3年後の4四半期限月で構成されます。
パックの価格は構成する4限月の平均価格で表示されます。各限月の価格を単純平均した値がパック価格となり、この価格で一括取引が行われます。
取引単位では、パックを構成する各限月について同じ枚数の契約を同時に売買します。例えば、グリーン・パック1単位の買いは、翌年の4四半期限月をそれぞれ1枚ずつ買建てることと同じです。
短期金利リスクのヘッジでは、1年間の資金調達や運用における金利変動リスクを管理するためにパック取引を使用します。銀行や短期金融市場の参加者が主要な利用者です。
キャッシュフロー・ヘッジでは、四半期ごとのキャッシュフローに対する金利リスクをヘッジするためにパック取引を活用します。
イールドカーブ・トレーディングでは、短期金利の相対的な変動を予想してパック間のスプレッド取引を行います。レッド・パックとグリーン・パックの価格差に着目した戦略などが実行されます。
季節性取引では、短期金利の季節的なパターンを利用してパック取引を行います。年末年始の資金需要増加などの季節要因を考慮した戦略です。
パック取引は1年間の4四半期を対象とするのに対し、バンドル取引は2年以上の長期間を対象とします。パックは短期的な金利変動のヘッジに、バンドルは長期的な金利リスク管理に使用されます。
流動性では、パック取引の方が取引量が多く流動性が高い傾向があります。特にグリーン・パックは最も活発に取引されています。
代替可能性
ある商品のどの単位も品質が同じで、区別なく交換可能であるという性質のことです。「同質性」とも呼ばれます。この性質が、取引所での効率的な標準化取引を可能にする基盤となります。
コントラクト
コントラクトは、先物取引における標準化された取引単位で、1枚の契約が表す商品の数量を指します。日経225先物なら指数×1,000円、原油先物なら1,000バレルなど、商品ごとに定められた単位で取引され、ポジション管理や損益計算の基準となる重要な概念です。
売付取引
売付取引は、先物やオプション市場において売り注文を出して約定させる取引行為です。価格の下落を期待する場合や、買いポジションを決済する場合に行われます。新規に売る場合は「新規売り」、買いポジションを決済する場合は「転売」と呼ばれ、現物を持たずに売りから入れる点が先物取引の大きな特徴です。
転売
転売は、買いポジション(ロングポジション)を決済するために行う売り注文のことです。買い建てした先物契約を売却することで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、満期前の清算など、取引を終了させる基本的な決済行為です。
買付取引
買付取引は、先物やオプション市場において買い注文を出して約定させる取引行為です。価格の上昇を期待する場合や、売りポジションを決済する場合に行われます。新規に買う場合は「新規買い」、売りポジションを決済する場合は「買戻し」と呼ばれ、取引の基本的な行為の一つです。
中心限月
中心限月は、先物市場において最も活発に取引されている限月のことです。通常、期近限月や第一限月がこれに該当し、流動性が高く、売買スプレッドが狭いため、多くのトレーダーが取引の中心とする限月です。市場の価格発見機能が最も効果的に働く限月でもあります。
買戻し
買戻しは、売りポジション(ショートポジション)を決済するために行う買い注文のことです。空売りした先物契約を買い戻すことで、ポジションをクローズし、損益を確定させます。利益確定、損切り、または満期前の清算など、さまざまな理由で実行される基本的な決済行為です。
手仕舞い
手仕舞いは、保有している先物やオプションのポジションを反対売買により決済する行為です。買いポジションは売りで、売りポジションは買いで決済します。利益確定や損切り、満期前の清算など、さまざまな理由で行われる取引の終了プロセスで、ポジション管理の最も重要な判断の一つです。