20フィート標準コンテナ1個分を表す単位で、Twenty-foot Equivalent Unitの略です。コンテナ船の積載能力や港湾の取扱量を表す国際標準単位として使用されます。40フィートコンテナは2TEUと換算され、海運業界の統計や分析で広く活用されています。
TEU(Twenty-foot Equivalent Unit)は、20フィート標準コンテナ1個分を表す国際的な単位です。コンテナ船の積載能力、港湾の取扱能力、海運統計などを表現する際の基準単位として、世界中で使用されています。40フィートコンテナは2TEU、45フィートコンテナは2.25TEUとして換算され、異なるサイズのコンテナを統一的に計測することができます。
TEUという単位は、1960年代のコンテナ化の進展とともに確立されました。マルコム- マクリーンによるコンテナ輸送の発明以降、標準化された計測単位の必要性が高まり、最も基本的なサイズである20フィートコンテナを基準とすることが国際的に合意されました。
商品取引において、TEUは物流規模を表す重要な指標です。輸送コストの算定、船腹の予約、港湾使用料の計算など、様々な場面でTEUが使用されます。企業の物流戦略立案においても、TEU単位での分析が一般的に行われています。
標準化された寸法を持ちます。20フィートコンテナは、長さ20フィート(約6.1m)、幅8フィート(約2.4m)、高さ8フィート6インチ(約2.6m)という国際標準規格(ISO規格)に基づいています。
容積と重量の制限があります。1TEUの内容積は約33立方メートル、最大総重量は通常24トンまでとされています。ただし、実際の積載重量は規制により異なります。
互換性が確保されています。世界中の港湾、船舶、鉄道、トラックが同じ規格に対応しているため、シームレスな国際複合輸送が可能です。
船腹予約で使用されます。荷主は必要なTEU数を船会社に伝えて、スペースを確保します。FCL(Full Container Load)とLCL(Less than Container Load)の判断もTEUベースで行われます。
運賃計算の基準となります。海上運賃はTEU当たりで設定されることが多く、40フィートコンテナ(2TEU)の運賃は20フィートの約1.5-1.8倍程度に設定されます。
港湾統計で活用されます。港湾の処理能力や実績はTEU単位で公表され、港湾間の比較や成長率の分析に使用されます。
比較が容易になります。異なるサイズのコンテナを統一単位で表現できるため、輸送規模の比較や分析が簡単に行えます。
計画立案が効率化されます。TEU単位で物流を管理することで、船舶、港湾、内陸輸送の能力を統合的に評価できます。
国際的なコミュニケーションが円滑になります。世界共通の単位として、言語や地域を越えた意思疎通が可能です。
実際の積載能力との乖離に注意が必要です。コンテナの種類(ドライ、リーファー、タンクなど)により、実際に積載できる貨物量は異なります。
重量制限を考慮する必要があります。TEUは容積の単位ですが、実際の輸送では重量制限も重要な要素となります。
ハイキューブコンテナの扱いに注意が必要です。高さ9フィート6インチのハイキューブも1TEUまたは2TEU(40フィート)として計算されますが、実際の容積は標準型より大きくなります。
FEU(Forty-foot Equivalent Unit)は40フィートコンテナを基準とする単位ですが、TEUの方が国際的に広く使用されています。
CBM(Cubic Meter)は容積の単位ですが、TEUはコンテナ個数ベースの単位です。
MT(Metric Ton)は重量の単位で、TEUとは異なる観点から貨物量を表現します。
世界最大のコンテナ船「Ever Ace」は、24,000TEU以上の積載能力を持ちます。これは20フィートコンテナを24,000個積載できることを意味し、全長400メートル、幅61.5メートルという巨大な船体を必要とします。
上海港は年間4,700万TEU以上を取り扱う世界最大のコンテナ港です。1日当たり約13万TEUを処理する計算となり、高度な自動化システムによりこの膨大な物量を処理しています。
日本の主要港湾の取扱量は、東京港が約450万TEU、横浜港が約290万TEU、神戸港が約280万TEUとなっています。これらの数字は、各港の経済規模と重要性を示す指標として、港湾政策の立案に活用されています。最近では、船舶の大型化に伴い、TEU当たりの処理効率向上が港湾競争力の鍵となっています。
フォワーダー
荷主の代理として国際輸送業務を包括的に請け負う専門業者です。輸送手段の手配、通関手続き、書類作成、貨物の集荷・配送など、複雑な国際物流を一括して管理します。自社では輸送手段を持たず、複数の運送会社と連携してサービスを提供します。
荷揚港
海上輸送において貨物が船から陸揚げされる到着地の港です。船荷証券に記載される重要な項目で、輸送契約の履行地点となります。荷受人はこの港で貨物を引き取り、通関手続きを行います。港湾設備や取扱能力により輸送コストや時間が大きく影響されます。
複合一貫輸送
海上、陸上、航空など複数の輸送手段を組み合わせて、単一の運送契約のもとで貨物を出発地から目的地まで一貫して輸送するサービスです。国際物流の効率化とコスト削減を実現し、荷主にとってはワンストップで輸送管理が可能になります。
定期船輸送
コンテナ船などが、特定の港間を結ぶ決まった航路(サービスルート)を、公開されたスケジュールに基づいて定期的に繰り返し運航する形態の海上輸送サービスです。不定期船(トランパー)と対比されます。