Calendar month delivery

概要

暦月渡し（Calendar month delivery）とは、商品（特にコモディティなど）の売買契約や輸送契約において、商品の引き渡し（Delivery）時期を、特定の日付（例: 5月15日）で指定するのではなく、「〇月渡し」（例: 5月渡し）というように、暦の上での月（Calendar month）単位で指定する条件のことです。

具体的な意味合い

「5月渡し」と契約した場合、売り手は5月1日から5月31日までのいずれかの日に、契約で定められた場所で商品を引き渡す義務を負います。具体的な引き渡し日は、契約の中でさらに詳細に定められるか（例: 5月上旬、5月中旬、5月下旬）、あるいは売り手（または買い手）が後日指定する、といった取り決めがなされます。

利用場面

• コモディティ取引: 原油、LNG、石炭、穀物などの大量輸送を伴う取引では、生産、輸送、在庫の状況などから、厳密な日付での引き渡しを事前に確定するのが難しい場合があります。そのため、「〇月渡し」という形で、ある程度の期間の幅を持たせて引き渡し時期を合意することがよくあります。
• 先物契約の限月: 先物契約における「限月（Contract Month / Delivery Month）」も、この暦月渡しの考え方に基づいています。例えば「6月限」は、6月中の定められた期間内に最終的な決済（現物受渡または差金決済）が行われることを意味します。

注意点

「〇月渡し」という条件だけでは、具体的な引き渡し日が不明確なため、契約においては通常、以下のような点を補足的に定める必要があります。

• 具体的な引き渡し期間（例: 5月1日～15日）
• 引き渡し日の通知方法と期限（例: 売り手が引き渡し日の10日前までに通知）
• 引き渡し場所

暦月渡しは、ある程度の期間の柔軟性を持たせた引き渡し時期の指定方法です。