読み込み中...
アラビカ種コーヒーは、高品質で香り豊かな味わいを持つコーヒーの主要品種です。標高1,000m以上の高地で栽培され、全コーヒー生産の約60%を占めます。ブラジル、コロンビア、エチオピアが主産地で、ICEコーヒーC先物が国際価格指標です。気候変動に脆弱で、品質により大きな価格差が生じます。
コーヒーアラビカ種(Coffea arabica)は、エチオピア原産のコーヒーノキで、世界のコーヒー生産の約60%を占める最重要品種です。染色体数44の四倍体で、自家受粉が可能です。ロブスタ種と比較して、カフェイン含有量が少なく(1.2-1.5%)、糖度が高く、酸味とアロマに優れた複雑な風味を持ちます。標高1,000-2,000mの高地栽培に適し、年間平均気温15-24℃、年間降水量1,200-2,000mmの環境を好みます。
アラビカ種には多数の栽培品種があります。ティピカは最古の品種で、優れた風味を持ちますが収量が低いです。ブルボンは、ティピカの突然変異種で、甘みが強く人気があります。カトゥーラ、カトゥアイは、矮性品種で栽培効率が高いです。ゲイシャは、特異な花のような香りで超高値で取引されます。SL28、SL34(ケニア)、パカマラ(エルサルバドル)など、各国で独自品種が開発されています。
アラビカ種の生産は、赤道を挟んだコーヒーベルトに集中します。ブラジル(世界最大、主にブルボン系)は、大規模機械化栽培が特徴です。コロンビア(100%アラビカ)は、年間を通じた収穫が可能です。エチオピア(原産地)は、野生種を含む遺伝的多様性の宝庫です。中米(グアテマラ、コスタリカ、ホンジュラス)は、火山性土壌で高品質豆を生産します。ハワイコナ、ジャマイカ- ブルーマウンテンは、希少性から高値で取引されます。
アラビカ種の国際価格は、ICE Futures USのコーヒーC先物(セント/ポンド)で形成されます。価格は、ブラジルの天候(霜害、干ばつ)に最も影響されます。コロンビアの生産動向、中米の葉さび病被害も重要要因です。スペシャルティグレード(80点以上)は、商品先物価格にプレミアムが付加されます。Cup of Excellence等の品評会入賞豆は、オークションで通常価格の10-100倍で取引されることもあります。
アラビカ種は、気候変動に対して脆弱です。気温上昇により、栽培適地の標高上昇、病害虫(葉さび病、ベリーボーラー)の拡大が問題となっています。2050年までに現在の栽培地の50%が不適となる予測があります。対策として、耐病性- 耐暑性品種の開発(F1ハイブリッド)、アグロフォレストリー、精密農業の導入が進められています。品質向上と持続可能性の両立、生産者への公正な利益配分が業界の重要課題となっています。
アラビカコーヒー
コーヒー(ロブスタ種)
ロブスタ種コーヒーは、病害虫に強く収量の多いコーヒー品種です。低地でも栽培可能で、全生産の約40%を占めます。ベトナム、ブラジル、インドネシアが主産地で、主にインスタントコーヒーやエスプレッソブレンドに使用されます。ICE Europeのロブスタ先物が価格指標で、アラビカ種より安価で取引されます。
カカオ
カカオは、チョコレートの主原料となる熱帯作物で、種子(カカオ豆)を発酵・乾燥させて製品化します。コートジボワール、ガーナが世界生産の60%を占め、ICEカカオ先物が価格指標です。児童労働、森林破壊などの課題を抱え、認証制度による持続可能な生産への転換が進められています。
コーヒー
コーヒーは、コーヒーノキの果実から採取される種子(コーヒー豆)を焙煎して作る嗜好飲料の原料です。アラビカ種とロブスタ種が主要品種で、ブラジル、ベトナム、コロンビアが主要生産国です。品質、産地、加工方法により価格が大きく異なり、世界第2位の取引規模を持つ重要な農産物商品です。
オレンジジュース
オレンジジュースは、オレンジを搾汁した果汁飲料で、濃縮還元と非濃縮(NFC)に分類されます。ブラジル、米国フロリダが主要生産地で、ICE冷凍濃縮オレンジジュース先物が価格指標です。柑橘類の病害や異常気象により供給が不安定で、健康志向による需要変化も加わり、価格変動の大きい商品です。
茶(チャ)
茶は、チャノキの葉を加工した世界で水に次いで最も消費される飲料の原料です。緑茶、紅茶、ウーロン茶など発酵度により分類され、中国、インド、ケニア、スリランカが主要生産国です。健康効果への注目から需要が拡大し、品質や産地により価格が大きく異なる嗜好品として、独自の市場を形成しています。