Tea

基本概念

茶（Tea、Camellia sinensis）は、ツバキ科の常緑樹であるチャノキの葉を加工した飲料で、水に次いで世界で最も消費される飲み物です。加工方法により、不発酵茶（緑茶）、半発酵茶（ウーロン茶）、発酵茶（紅茶）、後発酵茶（プーアル茶）に分類されます。カテキン、カフェイン、テアニンなどの機能性成分を含み、嗜好飲料としてだけでなく、健康飲料としても注目されています。年間生産量は約600万トンです。

栽培と品種

茶の栽培は、気候と土壌に大きく依存します。年間気温10-30℃、降水量1,200mm以上、酸性土壌（pH4.5-5.5）が適しています。中国種（var. sinensis）は、耐寒性があり、緑茶に適しています。アッサム種（var. assamica）は、大葉で多収、紅茶に適しています。標高により、高地茶（1,200m以上、高品質）、中地茶、低地茶に分類されます。手摘みと機械摘みがあり、一芯二葉、一芯三葉など、摘採基準により品質が決まります。

加工と製品分類

茶の加工は、種類により異なります。緑茶は、蒸しまたは釜炒りで酵素を失活させ、発酵を防ぎます。紅茶は、萎凋、揉捻、発酵、乾燥の工程を経て、完全発酵させます。ウーロン茶は、部分発酵で、緑茶と紅茶の中間的性質を持ちます。白茶は、最小限の加工で自然乾燥させます。製品形態は、リーフティー、ティーバッグ、インスタントティー、RTD（缶- ペットボトル）など多様化しています。

主要生産- 消費国

中国が世界最大の生産- 消費国（生産量の約45%）で、緑茶が中心です。インドは第2位の生産国で、アッサム、ダージリン、ニルギリが有名産地です。ケニアは最大の紅茶輸出国で、CTCティーが主力です。スリランカ（セイロンティー）は、高品質紅茶で知られます。日本は緑茶に特化し、抹茶が世界的ブームです。消費は、中国、インド、トルコ、英国、ロシアが上位を占めます。

市場動向と将来展望

茶市場は、健康志向により拡大しています。抗酸化作用、ダイエット効果、リラックス効果が注目されています。プレミアムティー、オーガニックティー、フレーバーティーなど、高付加価値化が進んでいます。コールドブリュー、コンブチャなど、新しい飲用スタイルも登場しています。気候変動による栽培地の変化、労働力不足による機械化、若年層の茶離れが課題です。一方、茶文化の世界遺産登録、ティーツーリズムなど、文化的価値の再評価も進んでいます。