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オレンジジュースは、オレンジを搾汁した果汁飲料で、濃縮還元と非濃縮(NFC)に分類されます。ブラジル、米国フロリダが主要生産地で、ICE冷凍濃縮オレンジジュース先物が価格指標です。柑橘類の病害や異常気象により供給が不安定で、健康志向による需要変化も加わり、価格変動の大きい商品です。
オレンジジュース(Orange Juice)は、オレンジ(甘橙、Citrus sinensis)を搾汁した果汁飲料で、世界で最も取引量の多い果汁製品です。商業的には、冷凍濃縮オレンジジュース(FCOJ: Frozen Concentrated Orange Juice、65°Brix)と非濃縮(NFC: Not From Concentrate)に大別されます。ビタミンC、葉酸、カリウムを豊富に含み、朝食飲料として定着しています。年間生産量は約200万トン(65°Brix換算)です。
オレンジジュース生産は、大規模な工業プロセスです。収穫されたオレンジは、選別、洗浄後、搾汁機で果汁を抽出します。パルプ除去、殺菌を経て、濃縮工程では真空蒸発により水分を除去し、体積を1/6に減らします。冷凍保存により、長期保管と輸送が可能になります。エッセンス回収により、濃縮時に失われる香気成分を保持します。消費地で水を加えて還元し、製品化されます。NFCは濃縮せずに冷蔵流通します。
ブラジル(サンパウロ州)が世界最大の生産- 輸出国で、全輸出量の約75%を占めます。大規模プランテーションと統合型加工企業が特徴です。米国フロリダ州は第2位の生産地でしたが、カンキツグリーニング病により生産が激減しています。メキシコ、EU(スペイン)も生産していますが、主に域内消費です。生産は天候、病害(HLB、カンカー)、ハリケーンなどに大きく左右される不安定な構造を持ちます。
オレンジジュースの国際価格は、ICE Futures USの冷凍濃縮オレンジジュース先物(セント/ポンド)で形成されます。価格変動要因は、ブラジルの天候(霜害、干ばつ)、フロリダのハリケーン、病害の拡大、レアル/ドル為替、在庫水準です。2010年代以降、供給不安から価格は上昇傾向にあります。NFC製品は、品質プレミアムにより、FCOJより20-30%高値で取引されます。
オレンジジュース消費は、先進国で減少傾向にあります。糖分摂取への懸念、他の飲料との競争激化が要因です。一方、中国、インドなど新興国では、所得向上により需要が拡大しています。健康機能性(免疫力向上)への注目、コールドプレス製法による高品質化、オーガニック製品の成長が市場機会です。課題として、病害の世界的拡大、気候変動による産地移動、若年層の果汁離れがあります。持続可能な生産システムの構築、新品種開発が急務となっています。
FCOJ
コーヒー(アラビカ種)
アラビカ種コーヒーは、高品質で香り豊かな味わいを持つコーヒーの主要品種です。標高1,000m以上の高地で栽培され、全コーヒー生産の約60%を占めます。ブラジル、コロンビア、エチオピアが主産地で、ICEコーヒーC先物が国際価格指標です。気候変動に脆弱で、品質により大きな価格差が生じます。
コーヒー(ロブスタ種)
ロブスタ種コーヒーは、病害虫に強く収量の多いコーヒー品種です。低地でも栽培可能で、全生産の約40%を占めます。ベトナム、ブラジル、インドネシアが主産地で、主にインスタントコーヒーやエスプレッソブレンドに使用されます。ICE Europeのロブスタ先物が価格指標で、アラビカ種より安価で取引されます。
カカオ
カカオは、チョコレートの主原料となる熱帯作物で、種子(カカオ豆)を発酵・乾燥させて製品化します。コートジボワール、ガーナが世界生産の60%を占め、ICEカカオ先物が価格指標です。児童労働、森林破壊などの課題を抱え、認証制度による持続可能な生産への転換が進められています。
コーヒー
コーヒーは、コーヒーノキの果実から採取される種子(コーヒー豆)を焙煎して作る嗜好飲料の原料です。アラビカ種とロブスタ種が主要品種で、ブラジル、ベトナム、コロンビアが主要生産国です。品質、産地、加工方法により価格が大きく異なり、世界第2位の取引規模を持つ重要な農産物商品です。
茶(チャ)
茶は、チャノキの葉を加工した世界で水に次いで最も消費される飲料の原料です。緑茶、紅茶、ウーロン茶など発酵度により分類され、中国、インド、ケニア、スリランカが主要生産国です。健康効果への注目から需要が拡大し、品質や産地により価格が大きく異なる嗜好品として、独自の市場を形成しています。