Illiquid

### 概要 非流動的（Illiquid、イリキッド）とは、特定の資産（株式、債券、不動産、未公開株、特定のデリバティブなど）や、あるいは市場全体について、取引量が少ない、買い手や売り手が常には存在しないなどの理由で、希望するタイミングで、市場実勢からかけ離れない妥当な価格で、容易に売買（特に売却して現金化）することが難しい状態を指します。「流動性が低い」とほぼ同義です。流動性が高い（Liquid）状態と対比されます。 ### 特徴と影響 非流動的な資産や市場には、以下のような特徴や影響があります。 - 売買の困難性: 売りたい時に買い手が、買いたい時に売り手が見つかりにくいです。 - 価格の不確実性・変動性: 取引が少ないため、少量の取引でも価格が大きく変動する可能性があります。時価評価も困難になる場合があります。 - ビッド・アスク・スプレッドの拡大: 買値と売値の差（スプレッド）が大きくなり、実質的な取引コストが高くなります。 - 換金性の低さ: 保有資産を必要な時にすぐに現金化することが難しくなります（市場流動性リスク）。 ### 非流動的になりやすい資産の例 未公開株式、不動産、特定の美術品、発行額や取引量が少ない債券、小型株式の一部、複雑なOTCデリバティブの一部など。 ### 市場全体の非流動化 金融危機などの際には、市場全体への不安感から買い手がいなくなり、通常は流動性が高いとされる資産でさえも取引が困難になる（市場全体の流動性が枯渇する）ことがあります。 資産の流動性は、投資判断やリスク管理において考慮すべき要素です。