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コモディティ取引用語辞典トレタム

コモディティ取引に関する専門用語を学べる総合用語集

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    Trade Settlement

    取引決済(受渡し)

    清算・ネッティング

    取引決済は、約定した取引を最終的に完了させる重要なプロセスです。買い手が代金を支払い、売り手が有価証券や商品を引き渡すことで契約義務を履行します。決済の確実性とリスク管理は、金融市場の安定性を支える基盤となります。

    基本概念

    **取引決済(Trade Settlement)**とは、金融取引や商品取引において約定(契約成立)した後に、実際に資金と資産の移転を行って取引を最終的に完了させるプロセスです。英語では「Settlement」と呼ばれ、「settle」(解決する、確定する)という動詞から派生しています。

    取引決済は現代の金融システムにおいて最も重要な機能の一つであり、市場参加者間の信頼関係を支える基盤となっています。約定から決済完了までの期間は「決済期間」と呼ばれ、市場や商品の特性により異なる期間が設定されています。

    決済プロセスの確実性と効率性は、市場の流動性と安定性に直接的な影響を与えるため、各国の金融当局により厳格に規制- 監督されています。

    主な特徴

    資金と資産の同時移転: 買い手からの資金支払いと売り手からの資産引渡しが同期して行われ、一方的な履行リスクを排除します。

    最終性の確保: 決済が完了すると取引は不可逆的に確定され、後から取り消すことはできません。この最終性により取引の法的安定性が保たれます。

    決済期間の標準化: 市場ごとにT+1(翌営業日決済)、T+2(2営業日後決済)などの標準的な決済サイクルが設定されています。

    ネッティング機能: 同一相手方との複数取引を相殺し、実際の決済額を圧縮することで効率性を向上させます。

    中央清算機関の活用: CCPを通じた集中決済により、個別の取引相手方リスクを削減し、市場全体の安定性を高めています。

    決済方式の分類

    グロス決済: 各取引を個別に全額で決済する方式で、リスクは最小ですが大量の資金が必要です。大口取引や重要な取引で採用されます。

    ネット決済: 複数取引を相殺して差額のみを決済する方式で、資金効率が高く、一般的な証券- 商品取引で広く使用されます。

    DVP決済: 資産の引渡しと資金の支払いを同時に行う方式で、一方のみが履行される片務リスクを完全に排除できます。

    PVP決済: 異なる通貨の同時交換において、両通貨の支払いを同期させることで外為決済リスクを軽減します。

    実務での活用

    証券取引での活用: 株式、債券、投資信託などの売買において、投資家と証券会社、証券保管振替機構の間で確実な決済が行われています。

    商品先物取引での活用: 商品取引所を通じた先物- オプション取引では、清算機関が全ての取引の決済保証を提供し、市場参加者の信用リスクを軽減しています。

    外国為替取引での活用: 銀行間の外為取引では、CLS(連続決済システム)を通じて異なる通貨の同時決済が行われ、決済リスクを最小化しています。

    商品現物取引での活用: エネルギー、金属、農産物の現物取引では、品質検査、保管証明書の移転と資金決済を組み合わせた複合的な決済が行われます。

    メリット- 効果

    取引安全性の確保: 決済システムにより売り手- 買い手双方の履行が保証され、取引相手方リスクが大幅に軽減されます。

    市場効率性の向上: 標準化された決済プロセスにより、取引コストの削減と処理速度の向上が実現されています。

    流動性の向上: 確実な決済システムにより市場参加者の信頼が高まり、取引量の増加と流動性向上につながります。

    システミックリスクの軽減: 中央清算機関によるリスク管理により、個別破綻が市場全体に波及するリスクを防止します。

    注意点- リスク

    決済リスク: 決済期間中に取引相手方が破綻するリスクがあり、特に決済期間が長い取引では注意が必要です。

    オペレーショナルリスク: システム障害や事務ミスにより決済が遅延- 失敗するリスクがあり、バックアップシステムの整備が重要です。

    流動性リスク: 決済に必要な資金や証券が不足する場合、決済不履行(フェイル)が発生する可能性があります。

    法的リスク: 国際取引では各国の法制度の違いにより、決済の法的効力や優先順位に関する問題が生じる場合があります。

    関連用語との違い

    約定(Trade Execution)との違い: 約定は取引条件の合意- 契約成立を指し、決済は約定後の履行プロセスを指します。

    清算(Clearing)との違い: 清算は決済前の取引照合- 計算プロセスであり、決済は最終的な資金- 資産移転を指します。

    受渡し(Delivery)との違い: 受渡しは資産の物理的- 名義的移転を指し、決済は資金決済も含む総合的なプロセスを指します。

    同義語・略語

    ["決済","受渡し","Settlement"]

    関連用語
    Gross Settlement

    グロス決済

    グロス決済は、取引を個別に一件ずつ総額で決済する方式で、ネッティングを行わない決済方法です。各取引の決済リスクを完全に排除できる利点がありますが、必要資金量が大きくなります。即時グロス決済(RTGS)として大口資金決済に広く採用されています。

    Close-Out Netting

    クローズアウトネッティング

    クローズアウトネッティングは、取引相手の破綻時に全ての未決済取引を一括して清算し、単一の債権債務に置き換える仕組みです。エクスポージャーを大幅に削減し、破綻処理を迅速化します。ISDAマスター契約等で標準化され、市場の安定性を支えています。

    Net Settlement

    ネット決済

    ネット決済は、複数の取引から生じる債権債務を相殺し、その差額のみを決済する効率的な方式です。決済に必要な資金や証券の量を大幅に削減し、決済リスクも低減します。商品取引では、日中の取引を集約して一括決済することで、業務効率を向上させます。

    DVP (Delivery Versus Payment)

    DVP決済

    DVP決済(Delivery Versus Payment)は、証券の引渡しと資金の支払いを同時に行う決済方式です。一方の履行なしに他方が実行されないため、決済リスクを完全に排除できます。商品取引では現物受渡しとその対価の同時履行により、取引の安全性を確保します。

    Multilateral Netting

    多角的ネッティング

    多角的ネッティングは、3者以上の参加者間で債権債務を相殺し、決済額を圧縮する仕組みです。中央清算機関が中心となって実施し、決済リスクとシステミックリスクを大幅に削減します。商品取引では、市場全体の効率性と安定性向上に重要な役割を果たします。

    LCH.Clearnet

    LCH.Clearnet

    LCH.Clearnetは、欧州最大級の多市場対応清算機関で、金利スワップ、レポ、現物株式、商品デリバティブ等を扱います。ロンドンのLCHとパリのClearnet統合により誕生し、グローバルな清算サービスを提供。商品取引では特にエネルギー・金属市場で重要な役割を果たしています。

    T+ Settlement

    T+決済

    T+決済は、約定日(T)から決済日までの標準的な期間を示す決済サイクルです。T+1は翌営業日、T+2は2営業日後の決済を意味します。商品取引では商品や市場により異なる決済期間が設定され、リスク管理と資金効率のバランスを考慮して決定されます。