中央清算機関
中央清算機関(CCP)は、取引の売り手と買い手の間に入り、それぞれの相手方となって決済を保証する機関です。厳格なリスク管理、証拠金制度、デフォルト管理により市場の安定性を維持します。商品取引では価格変動リスクの集中管理で重要な役割を担います。
取引の清算とネッティングの仕組みを解説。中央清算機関(CCP)の役割、証拠金管理、デフォルト処理を説明。バイラテラルネッティング、マルチラテラルネッティング、クロスプロダクトネッティングについて詳しく分析します。
中央清算機関
中央清算機関(CCP)は、取引の売り手と買い手の間に入り、それぞれの相手方となって決済を保証する機関です。厳格なリスク管理、証拠金制度、デフォルト管理により市場の安定性を維持します。商品取引では価格変動リスクの集中管理で重要な役割を担います。
LCH.Clearnet
LCH.Clearnetは、欧州最大級の多市場対応清算機関で、金利スワップ、レポ、現物株式、商品デリバティブ等を扱います。ロンドンのLCHとパリのClearnet統合により誕生し、グローバルな清算サービスを提供。商品取引では特にエネルギー・金属市場で重要な役割を果たしています。
ネッティング(差額決済)
ネッティングは、二者間の複数の債権債務を相殺し差額決済する仕組みで、決済効率を大幅に向上させます。決済リスクの削減、資金効率の改善、事務コストの低減を実現します。商品取引では、日中の頻繁な取引を効率的に処理するために不可欠な制度です。
多角的ネッティング
多角的ネッティングは、3者以上の参加者間で債権債務を相殺し、決済額を圧縮する仕組みです。中央清算機関が中心となって実施し、決済リスクとシステミックリスクを大幅に削減します。商品取引では、市場全体の効率性と安定性向上に重要な役割を果たします。
クローズアウトネッティング
クローズアウトネッティングは、取引相手の破綻時に全ての未決済取引を一括して清算し、単一の債権債務に置き換える仕組みです。エクスポージャーを大幅に削減し、破綻処理を迅速化します。ISDAマスター契約等で標準化され、市場の安定性を支えています。
取引決済(受渡し)
取引決済は、約定した取引を最終的に完了させる重要なプロセスです。買い手が代金を支払い、売り手が有価証券や商品を引き渡すことで契約義務を履行します。決済の確実性とリスク管理は、金融市場の安定性を支える基盤となります。
DVP決済
DVP決済(Delivery Versus Payment)は、証券の引渡しと資金の支払いを同時に行う決済方式です。一方の履行なしに他方が実行されないため、決済リスクを完全に排除できます。商品取引では現物受渡しとその対価の同時履行により、取引の安全性を確保します。
グロス決済
グロス決済は、取引を個別に一件ずつ総額で決済する方式で、ネッティングを行わない決済方法です。各取引の決済リスクを完全に排除できる利点がありますが、必要資金量が大きくなります。即時グロス決済(RTGS)として大口資金決済に広く採用されています。
ネット決済
ネット決済は、複数の取引から生じる債権債務を相殺し、その差額のみを決済する効率的な方式です。決済に必要な資金や証券の量を大幅に削減し、決済リスクも低減します。商品取引では、日中の取引を集約して一括決済することで、業務効率を向上させます。
T+決済
T+決済は、約定日(T)から決済日までの標準的な期間を示す決済サイクルです。T+1は翌営業日、T+2は2営業日後の決済を意味します。商品取引では商品や市場により異なる決済期間が設定され、リスク管理と資金効率のバランスを考慮して決定されます。