ブッシェルは穀物の体積単位で、米国の穀物取引で広く使用されます。小麦・大豆は60ポンド(約27.2kg)、トウモロコシは56ポンド(約25.4kg)に相当します。CME先物価格はセント/ブッシェルで表示されます。
ブッシェル(Bushel)は、穀物の伝統的な体積単位で、現在は重量換算で使用されます。米国の穀物市場で標準的に使用され、CMEなどの先物価格表示の基本単位となっています。1ブッシェルの重量は穀物により異なり、小麦・大豆は60ポンド(約27.2kg)、トウモロコシ・ソルガムは56ポンド(約25.4kg)、大麦は48ポンド(約21.8kg)、オーツは32ポンド(約14.5kg)です。
歴史的には、1ブッシェル=8ガロン=35.24リットルの体積単位として定義されていました。しかし、穀物の密度が品種や水分含有量により異なるため、現在は標準重量での取引が一般的です。米国では1916年に穀物標準法により、各穀物の標準ブッシェル重量が法定化されました。
価格表示では、CME先物はセント/ブッシェルで表示されます。例えば、トウモロコシ価格450セント/ブッシェルは、1トンあたり約177ドル(450÷100×39.37ブッシェル/トン)に相当します。国際取引ではメートルトン表示が一般的なため、換算が必要です。換算係数は、小麦・大豆で36.74ブッシェル/トン、トウモロコシで39.37ブッシェル/トンです。
生産統計では、米国農務省(USDA)の報告はブッシェル単位で行われます。単収はブッシェル/エーカーで表示され、トウモロコシで170-180bu/ac(10.7-11.3t/ha)、大豆で50-55bu/ac(3.4-3.7t/ha)、小麦で45-50bu/ac(3.0-3.4t/ha)が米国の平均的な水準です。
穀物エレベーターでの取引では、ブッシェル単位での計量と品質検査が行われます。標準ブッシェル重量を基準に、テストウェイト(容積重)により品質評価されます。テストウェイトが標準より高い場合はプレミアム、低い場合はディスカウントが適用されます。
国際貿易での換算は重要で、誤った換算は大きな損失につながります。例えば、10万トンの大豆取引は367.4万ブッシェルに相当し、1セント/ブッシェルの価格差は3.674万ドルの差額となります。為替換算も加わるため、正確な計算が不可欠です。
将来的にはメートル法への統一が議論されていますが、米国農業界の伝統と既存システムへの投資により、ブッシェル単位は当面維持される見込みです。デジタル化により自動換算が容易になり、単位の違いによる取引障壁は減少しています。