大麦は世界第4位の穀物で、ビール醸造と飼料用が主要用途です。耐寒性・耐乾性に優れ、EU、ロシア、カナダが主要生産国です。六条大麦と二条大麦があり、二条大麦は主にビール用、六条大麦は飼料・食用に使用されます。
大麦(Barley)は、イネ科の穀物で、世界で小麦、米、トウモロコシに次ぐ第4位の生産量を誇ります。年間生産量は約1億5,000万トンで、主要な用途はビール醸造(約30%)、飼料(約60%)、食用(約10%)です。耐寒性- 耐乾性に優れ、他の穀物が育ちにくい環境でも栽培可能なため、世界中で広く栽培されています。
品種は穂の形状により、六条大麦と二条大麦に分類されます。二条大麦は粒が大きく均一で、デンプン含有量が高いためビール醸造に適しています。六条大麦はタンパク質含有量が高く、飼料や食用(麦飯、麦茶など)に利用されます。また、皮の有無により、皮麦と裸麦に分けられます。
主要生産国はEU(約6,000万トン)、ロシア(約2,000万トン)、カナダ(約900万トン)、オーストラリア(約900万トン)です。EU域内ではフランス、ドイツ、スペインが主要生産国です。生産量は天候に大きく左右され、特に春の降雨と夏の高温が収量と品質に影響します。
ビール用大麦(モルティングバーレー)は、品質基準が厳格で、タンパク質含有量9.5-12%、発芽率95%以上、水分含有量13%以下などの条件を満たす必要があります。醸造過程では、発芽させて麦芽(モルト)を作り、これがビールの原料となります。世界のビール生産量は年間約19億ヘクトリットルで、大麦需要の重要な部分を占めています。
国際取引では、飼料用大麦とモルティングバーレーで価格差があり、モルティングバーレーは20-30%のプレミアムが付きます。主要輸出国はフランス、オーストラリア、アルゼンチン、カナダで、主要輸入国は中国、サウジアラビア、日本です。中国のビール市場拡大により、アジア地域の輸入需要が増加しています。
先物市場では、ICE(インターコンチネンタル取引所)でフィード大麦先物が取引されています。価格形成要因として、天候、他の飼料穀物価格、ビール需要、輸出需要が影響します。近年では、健康食品としての大麦(β-グルカン含有)への注目も高まっており、食用需要が徐々に拡大しています。
食用穀物
食用穀物は、人間の直接消費用に栽培・流通される穀物類の総称です。小麦、米、トウモロコシなどが主要品目で、世界の食料安全保障の基盤として、商品市場で最も重要な農産物カテゴリーを形成しています。
オーツ麦(燕麦)
オーツ麦は栄養価の高い穀物で、朝食シリアルや健康食品として人気があります。年間生産量は約2,300万トンで、ロシア、カナダ、ポーランドが主要生産国です。β-グルカンを豊富に含み、健康効果が注目されています。
ブッシェル
ブッシェルは穀物の体積単位で、米国の穀物取引で広く使用されます。小麦・大豆は60ポンド(約27.2kg)、トウモロコシは56ポンド(約25.4kg)に相当します。CME先物価格はセント/ブッシェルで表示されます。
飼料穀物
Feed Grainsは、家畜や家禽の飼料として使用される穀物の総称です。トウモロコシ、大麦、オーツ麦、ソルガムなどが含まれ、家畜の成長促進、健康維持、生産性向上に重要な役割を果たします。飼料穀物の価格変動は畜産物の生産コストに直接影響し、畜産業界の収益性と食料供給の安定性を左右する重要な商品となっています。
タンパク質含有量
タンパク質含有率は、穀物の栄養価と加工適性を示す重要な品質指標です。小麦ではグルテン形成能力、大豆では飼料価値を決定し、価格プレミアムの主要な決定要因となっています。
水分含有量
水分含有率は、穀物に含まれる水分の割合を示す重要な品質指標です。保存性、価格、加工適性に直接影響し、商品取引では厳格な基準が設定され、価格調整の基準となっています。
小麦粉
Wheat Flourは、小麦を製粉して得られる粉末状の食品原料です。パン、パスタ、ケーキ、麺類など様々な食品の製造に使用され、世界で最も重要な穀物加工品の一つとなっています。タンパク質含有量や灰分により等級が分けられ、用途に応じて適切な種類が選択されます。国際取引においても重要な商品として取引されています。