Completion of Delivery

概要

受渡完了（Completion of Delivery）とは、商品やサービスの売買契約、あるいは先物取引などの決済プロセスにおいて、契約の対象物が売り手から買い手へと、契約で定められた条件（場所、時期、方法、品質、数量など）に従って完全に引き渡され、その引き渡し行為が完了した状態を指します。

意味合いと重要性

受渡完了は、契約における売り手の主要な義務の履行が完了したことを意味し、多くの場合、以下の点で重要な節目となります。

• 危険負担の移転: 輸送中の商品の滅失- 毀損リスクが売り手から買い手に移転するタイミングとなることが多いです（ただし、移転時点はインコタームズなどの貿易条件によって具体的に定められます）。
• 所有権の移転: 商品の所有権が売り手から買い手に移るタイミングと関連します（ただし、所有権移転時期は契約や法律で別途定められることもあります）。
• 代金支払義務の確定: 買い手の代金支払義務が確定し、支払プロセスが開始される起点となります。
• 検収: 買い手が受け取った商品を確認（検収）し、契約条件との一致を確認するプロセスの開始点となります。
• 契約の終了: 売買契約における主要な履行部分が完了したことを示します（ただし、品質保証などの義務は残る場合があります）。

具体的な完了時点

何をもって「受渡完了」とみなすかは、契約条件や取引の種類によって異なります。

• 現物取引: 買い手が商品を物理的に受け取った時点、指定場所に置かれた時点、輸送業者に引き渡された時点（インコタームズによる）など。
• 書類取引: 船荷証券（B/L）などの権利証券が買い手に引き渡された時点。
• デリバティブ（現物決済）: 取引所の規則に基づき、指定倉庫などで現物の受け渡しが完了した時点。
• デリバティブ（差金決済）: 最終決済価格に基づいて差金の授受が完了した時点。

契約において受渡完了の定義と時期を明確にしておくことは、後の紛争を避けるために大切です。