エタノール製造の副産物
蒸留粕(DDGS:Distillers Dried Grains with Solubles)は、トウモロコシや小麦などの穀物からエタノール燃料を製造する過程で生成される高付加価値の副産物で、優れた栄養特性を持つ家畜飼料として世界的に重要な地位を占めています。粗タンパク質含有率が約27%と高く、リン、エネルギー価も豊富で、牛、豚、鶏の飼料として広く利用されます。米国のエタノール産業拡大に伴いDDGS生産量も急増し、トウモロコシ1ブッシェルから約2.8ガロンのエタノールと約17-18ポンドのDDGSが生産されます。国際的な飼料穀物として、大豆粕との代替関係にあり、価格競争力と栄養価のバランスで需要が決定されます。輸送・保管の利便性、長期保存性に優れ、アジア諸国への輸出も拡大している重要な農産物副産物です。