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籾は収穫直後の米で、籾殻に包まれた状態の米です。精米歩留まりは約65-70%で、籾から玄米、さらに精米へと加工されます。CMEで先物取引され、アジアの米価格指標として重要です。
籾(Rough Rice、パディ)は、収穫直後の籾殻に包まれた状態の米で、貯蔵- 流通の基本形態です。水分含有量14%以下に乾燥させることで長期保存が可能となります。精米歩留まりは品種により異なりますが、籾100kgから玄米約80kg、精米約70kgが得られます。世界の米生産量は籾ベースで約7.5億トン、精米換算で約5億トンとなります。
収穫後処理が品質を大きく左右します。適切な乾燥(水分14%以下)により、カビや害虫の発生を防ぎ、発芽率を維持します。過度な乾燥や急速乾燥は、胴割れ(米粒の亀裂)を引き起こし、精米時の砕米率を高めます。貯蔵は通気性のある倉庫で行い、温度15℃以下、湿度70%以下が理想的です。
精米工程では、籾摺り(籾殻除去)で玄米となり、さらに精米(糠層除去)で白米となります。精米歩合により、玄米(0%)、3分づき(30%)、5分づき(50%)、7分づき(70%)、白米(90-92%)に分類されます。副産物として、籾殻(20%、燃料- 建材用)、米糠(8-10%、飼料- 米油原料)が生産されます。
品質評価では、整粒率、砕米率、水分含有量、異物混入率、変色粒率が重要指標です。米国農務省(USDA)基準では、U.S. No.1からNo.6まで格付けされ、整粒率、砕米率、異物率で決定されます。日本では、農産物検査法により、1等から3等および規格外に分類され、整粒率70%以上が1等米の基準となります。
CME(シカゴ商品取引所)の籾先物は、西半球の米価格指標として重要です。契約単位は2,000 cwt(約91トン)で、価格はセント/cwtで表示されます。米国産長粒種(主にアーカンソー、ルイジアナ、テキサス産)が受渡対象です。価格形成要因として、米国の作付面積、収穫量、輸出需要、アジアの米需給、エルニーニョ/ラニーニャ現象が影響します。
国際取引では、精米での取引が主流ですが、一部では籾での取引も行われます。籾での輸出は、精米施設を持つ輸入国向けが中心です。検疫上の理由から、多くの国が籾輸入を制限しています。籾での貯蔵は、精米より品質劣化が遅く、食味も保持されやすいため、日本では備蓄米の多くが籾で保管されています。
アジアでは、農家段階での籾販売が一般的で、政府買い付け価格(最低支持価格)が農家所得を支えています。インドやタイでは、籾での質入れ制度があり、農家の資金調達手段となっています。精米技術の向上により、砕米率の低下と歩留まり向上が実現し、食料安全保障に貢献しています。
Rough Rice, 籾米, Paddy Rice
ライ麦
ライ麦は寒冷地で栽培される穀物で、黒パンやウイスキーの原料として使用されます。年間生産量は約1,200万トンで、EU、ロシア、ベラルーシが主要生産国です。耐寒性が高く、痩せた土地でも栽培可能です。
ソルガム(モロコシ)
ソルガムは乾燥に強い穀物で、アフリカとアジアの半乾燥地域で重要な食料です。世界生産量は約6,000万トンで、米国、ナイジェリア、インドが主要生産国です。飼料、食用、エタノール生産に使用されます。
デュラム小麦
Durum Wheatは、パスタやクスクスなどの食品製造に特化した硬質小麦の品種です。高タンパク質含量と強靭なグルテン構造を持ち、パスタの弾力性と食感を決定する重要な特性を有しています。イタリア、カナダ、アメリカなどが主要生産国であり、パスタ産業の基盤となる重要な商品作物として、品質基準と価格形成において独自の市場を形成しています。
粗粒穀物
粗粒穀物は、小麦と米以外の穀物の総称で、主にトウモロコシ、大麦、ソルガム、オーツ麦などを指します。飼料用途が中心ですが、食用、工業用にも利用され、世界の穀物市場で重要な位置を占めています。