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植物検疫証明書は植物や植物製品の輸出時に発行される公的証明書です。輸出国の検疫当局が病害虫の付着がないことを証明し、農産物貿易で必須となります。国際植物防疫条約に基づいて発行されます。
Phytosanitary Certificate(植物検疫証明書)は、植物および植物製品の国際移動に際して、輸出国の植物検疫当局が発行する公的証明書です。国際植物防疫条約(IPPC)に基づき、有害な病害虫が付着していないこと、輸入国の植物検疫要求を満たしていることを証明します。農産物貿易の安全性を確保し、病害虫の国際的な蔓延を防ぐ重要な役割を果たしています。
生鮮農産物:果実、野菜、花卉、種子など、病害虫のリスクが高い品目は厳格な検査が必要です。
加工農産物:穀物、豆類、ナッツ、乾燥果実なども、加工度により検疫要求が異なります。
木材- 木製品:製材、合板、木製梱包材なども対象となり、特にISPM No.15(国際基準)への適合が要求されます。
植物由来製品:綿花、ジュート、コルクなど、植物を原料とする工業製品も対象となる場合があります。
輸出前に、植物防疫所で目視検査、室内検査(病害虫の同定)、必要に応じて精密検査(PCR検査等)を実施します。輸入国が要求する特別な処理(燻蒸、熱処理、薬剤処理)を実施した場合は、処理証明も併せて発行されます。証明書は、積荷ごとに発行され、有効期間は通常14-21日間です。
各国は独自の植物検疫規則を定めており、同じ品目でも国により要求が異なります。例えば、日本向けのアメリカ産オレンジは、ミカンコミバエの寄主植物として、一定期間の低温処理が義務付けられています。EUは、木製梱包材にISPM No.15準拠の熱処理または燻蒸処理を要求しています。
検疫不適合により、貨物の廃棄、返送、追加処理が命じられる可能性があります。特に、検疫有害動植物の発見は、輸出国全体の信頼性に影響し、輸入禁止措置につながることもあります。このため、生産段階からの病害虫管理、選果場での品質管理、輸送中の温度- 湿度管理が重要となります。
IPPCが推進するePhytoシステムにより、紙の証明書から電子証明書への移行が進んでいます。改ざん防止、処理時間の短縮、コスト削減などのメリットがあり、2023年現在、70カ国以上が参加しています。日本も2023年から本格運用を開始し、貿易の円滑化に貢献しています。
システムアプローチ:複数の管理手法を組み合わせて、病害虫リスクを許容レベルまで低減する方法です。
ペストフリーエリア:特定の病害虫が存在しない地域として認定を受けることで、検疫条件が緩和されます。
事前検査制度:輸出国で輸入国の検査官が立会い検査を行い、輸入時の検査を簡素化する制度です。
Phytosanitary Certificateは、農産物の国際貿易において、食の安全と農業生産の保護を両立させる重要な制度です。各国の検疫要求を正確に理解し、適切な証明書を取得することが、円滑な農産物貿易の前提となります。ePhytoの普及により効率化が進む一方、気候変動による新たな病害虫の出現など、植物検疫の重要性はさらに高まっています。
植検(しょくけん)
船荷証券
船荷証券(B/L)は海上輸送における最重要書類です。貨物の受領証、運送契約の証拠、貨物引換証という3つの機能を持つ有価証券で、裏書により譲渡可能です。貿易決済の基本書類として信用状取引でも必須となります。
海上運送状
海上運送状は海上輸送の受領証で、B/Lと異なり有価証券ではありません。書類の提示なしに記名された荷受人が貨物を受け取れるため、信頼関係のある当事者間の取引で使用され、書類遅延リスクを回避できます。
配達指図書
配達指図書(D/O)は運送人や代理店が倉庫業者に対して貨物の引渡しを指示する書類です。B/Lと引き換えに発行され、実際の貨物受け取りに必要となります。港湾での貨物引き取り手続きの最終段階で使用されます。
船積指図書
船積指図書(S/I)は荷主がフォワーダーや船会社に対して船積みの詳細を指示する書類です。B/L作成の基礎となる重要書類で、貨物の明細、荷印、仕向地、通知先などの必要情報を網羅的に記載します。
領事送り状
領事送り状は輸入国の在外領事館が認証する特殊な送り状です。一部の中南米やアフリカ諸国で要求され、輸入統計や外貨管理の目的で使用されます。通常のインボイスに加えて作成が必要となります。
保険証券(保険証明書)
保険証券は海上保険の契約内容を証明する書類です。CIF条件では売主が手配し、保険金額は通常CIF価格の110%です。貨物の損害発生時の保険金請求の根拠となり、裏書により譲渡可能です。
危険物申告書
危険物申告書は危険物輸送時の必須書類で、物質の分類、UN番号、梱包等級などを記載します。IMDG CodeやIATA規則に準拠し、安全な輸送のための取扱い指示を含みます。虚偽申告は重大な法的責任を伴います。
ハウス船荷証券
フォワーダーが発行する船荷証券で、実運送人のB/L(マスターB/L)に対して荷主向けに発行されます。小口貨物の混載輸送で使用され、荷主は実運送人と直接契約せずに海上輸送サービスを利用できます。