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トウモロコシは世界最大の生産量を誇る穀物で、飼料、食品、エタノール生産に使用されます。米国が最大生産国で、世界生産の約35%を占めます。CMEで活発に先物取引され、農産物市場の重要な指標となっています。
トウモロコシ(Corn/Maize)は、世界で最も生産量の多い穀物で、年間生産量は約11億トンに達します。用途は飼料(約60%)、工業用(エタノール、コーンスターチ等、約30%)、食用(約10%)と多岐にわたります。C4植物として高い光合成効率を持ち、温暖な気候で高収量を実現できる特性があります。
米国が世界最大の生産国で、年間約3.8億トン(世界生産の約35%)を生産します。コーンベルトと呼ばれるアイオワ、イリノイ、インディアナ、ネブラスカなどの中西部州が主要産地です。中国(約2.6億トン)、ブラジル(約1.2億トン)、アルゼンチン(約5,000万トン)がそれに続きます。南米では二期作が可能で、生産拡大が続いています。
品種は用途により、デントコーン(飼料- 工業用)、フリントコーン(飼料- 食用)、スイートコーン(食用)、ポップコーン(食用)などに分類されます。遺伝子組み換え(GM)品種が広く普及し、米国では栽培面積の90%以上がGM品種です。害虫抵抗性、除草剤耐性により、収量向上と生産コスト削減を実現しています。
飼料用途では、養鶏、養豚、肉牛肥育に不可欠で、配合飼料の主原料として50-60%を占めます。エタノール生産は米国で特に重要で、年間生産量の約40%(約1.5億トン)がエタノール向けです。再生可能燃料基準(RFS)により、ガソリンへのエタノール混合が義務化され、安定需要を創出しています。
CME(シカゴ商品取引所)のコーン先物は、世界で最も流動性の高い農産物先物の一つです。契約単位は5,000ブッシェル(約127トン)で、価格はセント/ブッシェルで表示されます。価格形成要因として、米国の作付面積、生育期の天候(特に7-8月の受粉期)、収穫量予測、在庫率、エタノール需要、輸出需要、ドル相場などが影響します。
国際貿易では、米国が最大輸出国(年間約7,000万トン)で、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナが続きます。主要輸入国は中国、メキシコ、日本、韓国、エジプトです。中国の輸入急増(年間2,000万トン超)が市場に大きな影響を与えています。食料安全保障の観点から、多くの国が備蓄政策を実施しており、価格安定化に寄与しています。
メイズ, Maize
食用穀物
食用穀物は、人間の直接消費用に栽培・流通される穀物類の総称です。小麦、米、トウモロコシなどが主要品目で、世界の食料安全保障の基盤として、商品市場で最も重要な農産物カテゴリーを形成しています。
オーツ麦(燕麦)
オーツ麦は栄養価の高い穀物で、朝食シリアルや健康食品として人気があります。年間生産量は約2,300万トンで、ロシア、カナダ、ポーランドが主要生産国です。β-グルカンを豊富に含み、健康効果が注目されています。
ブッシェル
ブッシェルは穀物の体積単位で、米国の穀物取引で広く使用されます。小麦・大豆は60ポンド(約27.2kg)、トウモロコシは56ポンド(約25.4kg)に相当します。CME先物価格はセント/ブッシェルで表示されます。
飼料穀物
Feed Grainsは、家畜や家禽の飼料として使用される穀物の総称です。トウモロコシ、大麦、オーツ麦、ソルガムなどが含まれ、家畜の成長促進、健康維持、生産性向上に重要な役割を果たします。飼料穀物の価格変動は畜産物の生産コストに直接影響し、畜産業界の収益性と食料供給の安定性を左右する重要な商品となっています。
大麦
大麦は世界第4位の穀物で、ビール醸造と飼料用が主要用途です。耐寒性・耐乾性に優れ、EU、ロシア、カナダが主要生産国です。六条大麦と二条大麦があり、二条大麦は主にビール用、六条大麦は飼料・食用に使用されます。
タンパク質含有量
タンパク質含有率は、穀物の栄養価と加工適性を示す重要な品質指標です。小麦ではグルテン形成能力、大豆では飼料価値を決定し、価格プレミアムの主要な決定要因となっています。
水分含有量
水分含有率は、穀物に含まれる水分の割合を示す重要な品質指標です。保存性、価格、加工適性に直接影響し、商品取引では厳格な基準が設定され、価格調整の基準となっています。
小麦粉
Wheat Flourは、小麦を製粉して得られる粉末状の食品原料です。パン、パスタ、ケーキ、麺類など様々な食品の製造に使用され、世界で最も重要な穀物加工品の一つとなっています。タンパク質含有量や灰分により等級が分けられ、用途に応じて適切な種類が選択されます。国際取引においても重要な商品として取引されています。