Soybean Meal

大豆粕（Soybean Meal）は、大豆から油を搾油した後の副産物で、世界最大のタンパク質飼料原料です。年間生産量は約2.4億トンで、配合飼料の主要タンパク源として、現代の畜産業に不可欠です。タンパク質含有量は44-48%と高く、アミノ酸バランスも優れているため、養鶏、養豚、養殖魚の成長に最適な飼料となっています。

生産工程では、大豆（100kg）から大豆油（約18kg）と大豆粕（約79kg）が生産されます。溶剤抽出法が主流で、ヘキサンで油分を抽出後、加熱により溶剤を除去します。処理温度により、通常粕（44%タンパク）と高タンパク粕（48%タンパク、脱皮処理）に分類されます。品質基準として、タンパク質含有量、水分（12%以下）、粗繊維、ウレアーゼ活性が重要です。

主要生産国は、大豆生産国と一致し、米国（約4,500万トン）、ブラジル（約3,500万トン）、アルゼンチン（約3,000万トン）、中国（約7,000万トン、輸入大豆から生産）です。搾油施設は消費地近くに立地する傾向があり、中国では沿海部、EUでは飼料需要の大きい地域に集中しています。

飼料配合では、養鶏飼料で15-25%、養豚飼料で10-20%、肉牛飼料で5-15%配合されます。必須アミノ酸、特にリジン含有量が高く（2.8-3.0%）、トウモロコシとの組み合わせでアミノ酸バランスが改善されます。抗栄養因子（トリプシンインヒビター）は加熱処理で不活化されますが、過加熱は栄養価を低下させるため、適切な処理が重要です。

CMEの大豆粕先物は、飼料市場の重要な指標です。契約単位は100ショートトン（約91トン）で、価格はドル/ショートトンで表示されます。価格形成要因として、大豆価格、搾油マージン、飼料需要（特に中国、EU）、代替タンパク源（菜種粕、魚粉）価格、畜産物価格が影響します。

国際貿易では、年間約7,000万トンが取引され、アルゼンチン（約2,700万トン）が最大輸出国です。ブラジル（約1,700万トン）、米国（約1,400万トン）が続きます。主要輸入地域はEU（約1,800万トン）、東南アジア（約1,500万トン）です。中国は国内搾油が多く、粕の輸入は限定的です。

代替タンパク源との競合では、菜種粕、ひまわり粕、綿実粕、魚粉などがありますが、供給量とアミノ酸バランスで大豆粕が優位です。