Residual Risk

### 概要 残存リスク（Residual Risk）とは、特定されたリスクに対して、それを低減、移転（例: 保険、ヘッジ）、回避、または受容（保有）するといった何らかのリスク対応策を実施した後にも、なお組織に残存しているリスクのことを指します。 ### リスク管理プロセスにおける位置づけ リスクマネジメントはリスクをゼロにすることではなく、リスク対応後の残存リスクを組織が受け入れられる水準（リスク許容度）以下に管理することを目的とします。 - **固有リスク (Inherent Risk):** 対策前のリスク。 - **リスク対応 (Risk Response):** リスクへの対処活動。 - **残存リスク (Residual Risk):** リスク対応後に残るリスク。 ### 評価と管理 リスク対応策実施後、残存リスクのレベルを再評価し、リスク許容度と比較して受容可能かを確認します。許容できない場合は、追加の対応策等を検討します。残存リスクは継続的なモニタリングの対象となります。 ### 例 - 先物ヘッジ後のベーシスリスク。 - セキュリティ対策後の未知のサイバー攻撃リスク。 - 保険加入後の免責金額や支払い上限超過リスク。 残存リスクの概念は、リスク管理の限界を認識し、許容可能なリスクレベルについて合意形成を行う上で考慮されます。